日商簿記3級試験の時間配分はこれ!問題を解く順番も解説します

日商簿記3級の模擬試験を解いてみて、「全く時間が足らない。時間配分が悪いのかな」と悩んでいませんか?

その悩みは日商簿記3級に挑戦する人の多くが一度はぶつかるものですから、不安に思う必要はありませんよ。

なぜならば、試験問題への準備不足が試験時間不足の原因だからです。

IT系企業の営業で簿記素人だったにも関わらず独学で日商簿記3級に1発合格できた私も、模擬試験を解き始めた当初は試験時間の短さを嘆いていました。

しかし、その原因を整理して1つずつ対策を進めると、見直し時間も確保できる時間の余裕すら生まれるようになりました。

「試験時間不足の悩み」は、日商簿記3級合格に近づいている証です。

この記事では、私の経験を元に、日商簿記3級検定で試験時間が足らなくなる原因とその対策方法をご紹介します。

試験問題の時間配分も非常に大切です。

しかし、より根本的な原因に対策を講じることが試験時間が足らなくなる問題の解消に繋がりますよ。

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試験問題の取り組む順番と時間配分

試験問題の取り組む順番と時間配分

日商簿記3級の試験問題の取り組む順番や時間配分に正解はありません。

なぜなら、試験を時間内に終えられ、かつ、着実に取れる問題を解く戦略を取れれば合格するからです。

ただし、試験時間内に効率よく合格点を獲得するという観点で考えた場合には、おすすめの取り組み順番と時間配分があります。

絶対的な攻略法ではないため、あくまで簿記素人が一発合格した時にどのように考えていたかという点でご紹介します。

試験問題の取り組む順番

おすすめの取り組む順番は、設問1→設問3→設問2の順番です。

この順番になる理由は、配点の大きさがこの順番の通りになっているからです。

大問の内容と点数配分は下の表の通り。

問題内容点数
設問1仕訳問題45点
設問2勘定記入等の問題20点
設問3決算関連問題35点

設問1と3で合計80点も配分されています。

日商簿記3級は簿記知識の基本の習得を試す検定であり、簿記の基本は仕訳。

設問1は仕訳問題そのものであり、設問3も仕訳問題の要素が非常に強くなっています。

仕訳問題の内容はパターン化されており、模擬試験演習の反復の成果が最も出やすい領域です。

ご紹介した順番の狙いは、まさに準備の成果を出しやすい設問から解くことで効率よく点数を獲得すること。

結論

日商簿記3級の問題傾向と配分を考えると、設問の1と3を先に解くことで、効率的に大きな点数を獲得することができますよ。

試験問題の時間配分

日商簿記3級検定の取り組む順番に対する時間配分は以下の通り。

取り組む順番時間配分点数配分
設問115分45点
設問320分35点
設問215分20点
見直し10分

設問1と3に試験時間である60分の半分以上を割く理由は、2つの設問で全体8割の点数が配分されているからです。

ここで重要なのは、見直しにかける時間を確実に確保できるようにすることです。

確実に取れていたと思った問題でも、解答した際に0の数が誤っていたり、選択する勘定科目を誤っているといったケアレスミスは発生します。

実際に、私が受験した際も複数の問題でケアレスミスがあり、それをしっかり修正したことで無事に合格点を確保できました。

模擬試験演習の反復で合格点を余裕で越えるようになっても、本番試験の独特の緊張感はあり得ないミスをもたらします。

そのため、見直し時間を確保する時間配分が重要なのです。

時間配分の肝は、設問単位の時間設定よりも、見直し時間を確保することです。

そのため、模擬試験演習でも、見直しも含めて60分に収まるようになるまで取り組むことをおすすめします。

日商簿記3級検定で試験時間が足らなくなる原因

日商簿記3級検定で試験時間が足らなくなる原因

日商簿記3級検定で時間が足らなくなる原因は3つあります。

  • 記憶不足:問題文で問われていることが分からない
  • 処理速度不足:試験問題を解く速度が遅い
  • 判断力不足:失点する勇気がない

3つの原因の背景にあるのは、試験への準備が不十分、ということです。

模擬試験を解く前段階で、試験範囲の単元の勉強を進めてきましたよね。

しかし、いざ試験問題になると思った通りに解けずに時間が過ぎていき、気づいたらあっという間に試験時間が終わってしまう。

これは、「日商簿記3級との相性が悪い」とか「日商簿記3級の勉強の仕方が悪い」からではありません。

勉強や準備の状況によって、時間が足らなくなる原因は異なります。

原因を正しく把握できれば、正しい対策を打つことができます。

ここからは、時間が足らなくなる3つの原因の内容について順番にご紹介します。

問題文で問われていることが分からない

模擬試験を解いて、最初に感じるのは「この問題文で問われていることが分からない」ではないでしょうか。

私の試験時間不足の最初の壁は、まさにこれでした。

問題文をどのように仕訳すればよいか、どの勘定科目を使えばよいか、という根本的なところが分からず、時間だけが進んでしまうという状況。

「この問題文で問われていることが分からない」理由は、インプットしたはずの学習内容が記憶に定着していないことにあります。

そもそも、日商簿記3級検定で問題を解く際のステップは下記の5ステップ。

  1. 問題を読む
  2. 問題で問われていることを理解・解釈する
  3. 解答すべき内容を考える
  4. 解答を計算する
  5. 解答を記述する

「この問題文で問われていることが分からない」場合、2つ目のステップで停滞してしまいます。

停滞してしまうために、時間がどんどん過ぎてしまい、時間が足らなくなる、というのが模擬試験演習の初期段階の悩みではないでしょうか。

では、問題文の解釈ができないのはなぜでしょう。

原因を突き詰めると、学習、つまり、インプットした内容が十分に記憶や理解出来ていないことにたどり着きます。

覚えたはずのことが覚えられていなければ、時間をかけても解答を導くことはできませんよね。

試験時間が足らなくなる根本的な原因のひとつは、試験で問われる内容の記憶定着が不十分であることにたどり着きます。

試験問題を解く速度が遅い

試験問題が足らなくなる2つ目の原因は、解答する速度が遅いことです。

その理由は、試験問題に慣れていないことに尽きます。

初めて経験することには、慣れていることに比べて、一つ一つの動作にかかる時間が長くなる経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。

例えば、初めて取り組むゲーム、スポーツや料理では思い通りに動けず、気づいたらあっという間に時間が進んでいること、多いですよね。

これは、同じ動作でも、動作そのものの段取りや動作の正確性を確認しながら進めているため発生する現象です。

さて、日商簿記3級検定を解く際のステップはご覧の5ステップでしたね。

  1. 問題を読む
  2. 問題で問われていることを理解・解釈する
  3. 解答すべき内容を考える
  4. 解答を計算する
  5. 解答を記述する

日商簿記3級検定の問題やその解き方に慣れていなければ、一つ一つの作業に時間を要することになります。

試験問題はこのステップの繰り返しですから、1つの問題にかかる作業時間が長くなれば、自然と試験問題内に解答できる問題は少なくなります。

実際、私も初めて模擬試験を実施した際、設問1(仕訳問題15問)を解き終わるのに30分以上かかりました。

自分でも、どうしてこんなに解答速度が遅いのだろうと感じたことを、鮮明に覚えています。

試験問題の時間が不足する原因である解答速度が遅いことの原因を突き詰めると、試験問題への慣れが足りないことにたどり着きます。

失点する勇気がない

試験問題を満点解答しようとしていませんか?

試験問題を解く時間が足らなくなる原因には、満点獲得したくなってしまう心理的要素が挙げられます。

満点獲得をしたくなってしまう理由は、学生時代に植え付けられた「試験では満点」を取ろうとする思考にあります。

学生時代に受けた試験は満点に近いほど、高い評価が得られる環境に置かれていた人は多いのではないでしょうか。

例えば、国民的アニメのサザエさんのカツオ君が低い点数を取ってくると、必ず波平さんに叱られるのがお決まりのパターンですよね。

高い点数=高い評価に慣れてしまっているため、試験で解答内容に自信が持てないと本当に合っているか何度も確認してしまう経験は1度や2度では無いでしょう。

私も日商簿記3級の模擬試験演習の初期段階に、解答内容に自信がなく解き直しをしていたら、あっという間に試験時間が終わってしまったことが何度もあります。

試験問題の時間が足らなくなる根本的な原因の一つには、子供のころから植え付けられた「試験では満点を狙う」思考にあります。

日商簿記3級検定の時間不足への対策

日商簿記3級検定の時間不足への対策

日商簿記3級検定の試験時間不足の原因を踏まえた対策方法は3つです。

試験時間が足らなくなる根本的な原因試験時間不足の対策方法
試験で問われる内容の記憶定着が不十分問題を解いて記憶定着を高める
試験問題への慣れが足りない試験問題の解答機会を増やす
「試験では満点」を取ろうとする思考合格条件から逆算した戦略に切り替える

いずれも、特別な技術が必要のない、誰でも取り組める対策です。

3つの対策方法について順番にご紹介します。

問題を解いて記憶に定着させる

試験時間不足の原因となる「試験で問われる内容の記憶定着が不十分」の解決には、何度も問題を解いて記憶の定着度を高めることが有効です。

なぜならば、問題を解くこと自体に高い記憶効果があるからです。

学習内容の記憶の定着化を図る上で、読むといったインプット作業と比べて、問題を解くというアウトプット作業は3倍の学習定着効果。

参考:平均学習定着率が向上する「ラーニングピラミッド」とは?

さらに、回答する問題数が多いと記憶の定着率も高まることが証明されています。

参考:The Critical Importance of Retrieval for Learning

これらのことから、記憶定着を図るには、参考書を何度も読み返すよりも、問題を解く、つまり、模擬試験演習を何度も行うことが学習内容の記憶定着に効果的であるといえますね。

模擬試験問題はあくまで試験準備の一環ですから、そこで分からない内容があれば復習をして習得すればよいのです。

そして、改めて問題を解いて記憶の定着化を図りましょう。

この取り組みが、試験時間を浪費する原因の一つである「この問題文で問われていることが分からない」を解消することに繋がります。

試験問題を解く機会を増やす

模擬試験演習を繰り返し実施することで、解答する速度は早まります。

なぜならば、解答する作業、つまり、アウトプット作業を繰り返すことは、アウトプット作業の自動化をもたらすからです。

たとえば、あるひとつのことをやり込むと、同じ作業でも所要時間が短くなった経験は1人1回以上はあるのではないでしょうか。

問題解答を繰り返すと、回答に必要な知識へのアクセス速度が上昇し、脳内の処理速度が向上します。

参考:The psycholinguistics of the output hypothesis

当然、1つの作業の処理速度が高まれば、全体の作業時間、つまり解答に必要な時間の短縮に繋がります。

日商簿記3級検定の試験問題を解くという動作を日常的に実施している人は少ないですよね。

模擬試験演習を通じて、試験問題を解答する作業に慣れることで解答速度を上げて、試験時間内にしっかり解ききれるようになりましょう。

簿記3級は独学できる?

合格条件から逆算した戦略に切り替える

日商簿記3級は満点を取る必要はありません。

日商簿記3級は70点以上と獲得できれば合格だからです。

具体的には、日商簿記3級の合格基準はご覧のとおり。

試験科目試験時間合格基準
商業簿記 3題以内60分70%以上
引用:日商簿記3級 試験科目・注意事項

70点以上を獲得できれば合格であることを逆に考えると、最高30点失点しても合格可能。

そのため、自信を持って解けない問題は敢えて固執しないという作戦を取ることができます。

分からない問題に固執しなければ、同じ問題に時間を浪費することを回避でき、確実に解ける問題で点数を積み重ねられます。

私もこの作戦に切り替えたことで、時間内に解ける問題数が増え、自然と点数も伸びました。

点数が伸びると失点作戦を前向きに取れるようになり、より試験時間を効率的に使えるようにもなりました。

30点失点しても合格できる事実は分かっていても実行に移すのは難しいですよね。

しかし、割り切って失点するという勇気を持てると、結果的に時間内に回答できる問題数が増えて合格に近づけますよ。

まとめ:日商簿記3級検定の試験時間不足の解決策

日商簿記3級検定で時間配分が気になるのは、試験時間内に問題が解けない、時間が足らないと感じるからですよね。

この問題への対処方法は時間配分を考えることよりも、根本的な原因を解決することが先決です。

その上で、点数配分と問題傾向を考慮した設問の解く順番と時間配分を設定して実行することで、より効率的に合格点を獲得できるようになります。

試験時間不足を一気に解決する魔法は残念ながらありません。

しかし、確実に解決する方法は明確です。

今回ご紹介した取り組みを参考にして頂き、合格に向けた階段を一歩ずつ進めば合格点獲得は見えてきますよ。

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