簿記は年に何回試験がある?受験できる回数や試験日程、申し込み方法を解説

日商簿記検定ってそもそもどんなランクがあって、いつ試験を受験できる?

自分のペースで勉強して、日商簿記検定を受験することってできないの?

就職や昇進に役立つ資格検定ベスト3常連の日商簿記に興味が合っても、いつ挑戦できるか分からないと、勉強にも身が入らないですよね。

実は、日商簿記検定は1年で最低でも2回、多ければ80回ほども試験に挑戦できます。

なぜなら、日商簿記検定は2021年度から試験方式が生まれ変わり、学習進捗に合わせて自由に受験可能なネット試験が本格導入されたからです。

例えば、IT企業の営業職で簿記素人だった私が日商簿記3級に1発合格できた最大のポイントも、勉強の進捗に合わせて受験可能なネット試験を利用できることでした。

ここでは、日商簿記の試験形式や日程、検定試験の概要、申し込みから合格までのステップを、順番にお伝えします。

この記事を読み終わる頃には、1年間で受験できる日商簿記検定の試験回数が分かり、チャンスの多さを理解できて、日商簿記合格に向けて歩みを進められるようになります。

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日商簿記検定の試験概要

日商簿記検定の試験概要

日商簿記検定は、ビジネスパーソンからの注目度が高い資格検定です。

就職や昇進に非常に役立つ資格とされているためです。

参考:「就職や昇進に役立つ」資格・検定ランキング ビジネスパーソンが挑戦すべき資格はこれだ! | 最新の週刊東洋経済

しかし、日商簿記という単語を聞いたことはあっても、具体的な内容を知らない人も多いのではないでしょうか。

ここでは、まず、日商簿記検定の概要として以下をご紹介します。

  • 日商簿記検定の級とレベル
  • 日商簿記検定の試験形式
  • 日商簿記検定の試験日程
  • 日商簿記検定の1年で受験可能な回数

日商簿記検定のレベル(級)

日商簿記検定は基礎レベルの3級から公認会計士の登竜門となる1級まで用意されています。

それぞれの級で求められるレベルの目安は以下の通り。

レベル内容
1級極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を修得し、会計基準や会社法、財務諸表等規則などの企業会計に関する法規を踏まえて、経営管理や経営分析を行うために求められるレベル
2級高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベル
3級基本的な商業簿記を修得し、小規模企業における企業活動や会計実務を踏まえ、経理関連書類の適切な処理を行うために求められるレベル
引用:簿記 | 商工会議所の検定試験

企業の経理・財務職の人はもちろん、営業人や自営業の人など、幅広く役立つ知識を得られるのが日商簿記。

1級に合格できると、最高峰の簿記知識を習得するだけでなく、税理士試験の受験資格も得られます。

日商簿記検定は、それぞれの級のレベル差が大きいのが特徴。

そのため、簿記初心者が挑戦する場合は、3級から受験することがおすすめです

日商簿記検定の試験形式

2023年度時点で受験可能な日商簿記検定の試験形式は3種類です。

2021年度に行われた試験形式の拡充により、ネット試験と団体試験が追加されたためです。

2023年度現在、提供されている試験形式の概要は以下の通り。

試験方式統一試験ネット試験団体試験
試験のやり方ペーパー試験パソコン試験ペーパー試験
申し込み者個人個人企業・教育機関等
試験会場商工会議所が定めた場所テストセンター申し込み者が用意した場所
受験可能級1・2・3級2・3級2・3級
受験可能日年2~3日年320日ほど適宜
参考:日本商工会議所 新たな日商簿記検定試験について

これまで、統一試験のみだったため、不合格の場合は次回の試験まで最低3ヶ月、待つしかありませんでした。

しかし、ネット試験や団体試験が導入されたことで、2・3級を目指す人には合格のチャンスが大きく増えています

例えば、統一試験に不合格だった時、すぐにネット試験を申し込めば、最短3日後に合格することができます。

なお、団体試験は、企業や団体が商工会議所と個別に調整をして進める試験です。

そのため、個人だけでは団体試験への受験を決められません。

よって、この記事では、統一試験とネット試験を対象にお伝えしていきます。

日商簿記検定の試験形式の拡充で試験日数が増えました。

つまり、今まで以上に日商簿記検定に挑戦するハードルが低くなり、より多くの人が挑戦できる資格試験に進化しています。

日商簿記検定の2023年の試験日程

日商簿記検定の試験日程は、方式や受験する級によって異なります。

なぜなら、級により受験可能な試験方式と日程がそれぞれ設定されているからです。

2023年度の日商簿記検定試験の受験級と試験方式における試験日程は以下の通り。

受験級試験方式と試験日程
統一試験(ペーパー試験)ネット試験(PC試験)
1級2023/06/11(第164回)
2023/11/19(第165回)
対象外
2級2023/06/11(第164回)
2023/11/19(第165回)
2024/02/25(第166回)
適時受験可能
(施行停止期間を除く)
3級2023/06/11(第164回)
2023/11/19(第165回)
2024/02/25(第166回)
適時受験可能
(施行停止期間を除く)
参考:2023年度試験日程カレンダー | 商工会議所の検定試験

1級のみ統一試験の試験日数が2日と他よりも少ないです。

加えて、1級はネット試験で受験できません。

そのため、1級の試験日程は年に2日のみです

一方、2・3級はネット試験での受験が可能です。

ただし、年度初めと年3回の統一試験の前後約10日間はネット試験の施行休止期間であるため、この期間はネット試験を受験できません。

施行停止期間は年に40日程度のため、残りの320日程度の好きな日を試験日に設定できます。

参考までに、2023年度のネット試験施行停止期間は以下の通り。

  • 2023年04月01日(土)~04月13日(木)
  • 2024年06月05日(月)~06月14日(水)
  • 2024年11月13日(月)~11月22日(水)
  • 2024年02月19日(月)~02月28日(水)

参考:2023年度試験日程カレンダー | 商工会議所の検定試験

試験日程を比較すると、2・3級は1級よりも比較にならないほど多くの受験チャンスがあります。

統一試験にこだわらないならば、2・3級に挑戦するあなたは試験日程に悩む心配はありません。

日商簿記検定の1年で受験可能な回数

2023年度現在の日商簿記検定の受験ルールでは、同じ級を年に最低でも2回以上受験できます。

それぞれの級で1年間に受験可能な回数は以下の通り。

受験級統一試験ネット試験合計
1級2回対象外2回
2級3回最多80回最多83回
3級3回最多80回最多83回
参考:2023年度試験日程カレンダー | 商工会議所の検定試験

ネット試験は同一級を同一日もしくは複数日で予約できません。

ネット試験の申し込みは受験希望日の3日前までに完了が必要なため、ネット試験の最短受験間隔は4日に1回です。

施行停止期間を除いた約320日で4日に1回受験をすると、計算上は80回の受験が可能であることが分かりますね。

Q1 同じ級を複数回予約できますか?

同じ級を同一日および複数日で予約することはできません。

引用:日商簿記検定試験(2級・3級)ネット試験(インターネット申し込み方式)に関するQ&A

Q 予約は何カ月先まで可能ですか?

3日後から3カ月先までの期間で予約が可能です。

引用:予約は何カ月先まで可能ですか?

2021年度の改定以後、日商簿記2・3級の受験の門戸は大きく開かれました。

現在の試験日程は、多忙だけど日商簿記に挑戦をしたいと考えているあなたにとって絶好の機会です。

日商簿記検定はどんな試験?

日商簿記検定はどんな試験?

日商簿記検定の試験概要は、受験級を決めるための判断材料や対策勉強のあり方を決める重要な情報です。

日商簿記検定は受験する級により試験範囲はもちろん、合格基準や合格率が異なるためです。

ここからは、以下の3点を順番に解説します。

  • 各級の試験内容・時間・合格基準等
  • 日商簿記検定の合格者データ
  • 日商簿記検定試験当日の注意事項

せっかく挑戦をするならば、少しでも合格する確率を高められるよう、基礎情報を把握しておきましょう。

レベル(級)別の試験内容や時間、合格基準

日商簿記検定は受験する級によって、試験内容・時間・合格基準は異なります。

級が上がると、試験範囲が広がり、合格基準が厳密化されるためです。

1級から3級までの試験の概要は以下の通り。

受験級1級2級3級
試験範囲商業簿記・会計学
工業簿記・原価計算
商業簿記・工業簿記
(原価計算を含む)
商業簿記
試験時間180分(90分が2コマ)90分60分
合格基準70%以上
ただし、1科目ごとの得点は40%以上
70%以上70%以上
受験料7,850円(税込)4,720円(税込)2,850円(税込)
参考:2023年度試験日程カレンダー | 商工会議所の検定試験

参考:簿記1級 試験科目・注意事項簿記2級 試験科目・注意事項簿記3級 試験科目・注意事項

2級までは70%以上を正解できれば合格

しかし1級になると、全ての教科で正答率が40%以上、かつ合計で70%以上の正答率が求められます。

つまり、1級に合格するためには、まんべんない簿記知識を保有していることが必要であると分かりますね。

日商簿記検定に合格するためには、特に合格基準を正しく把握しておきましょう。

満点でなくても合格できる検定ですから、試験対策の戦略を練る上で、重要なポイントです。

日商簿記検定の合格者データ

日商簿記検定のそれぞれの級の難易度は、合格率や合格者数から確認できます。

2020年度から2022年度までの直近3年度の合格者データは以下の通り。

2020~2022年度
平均合格率
2020~2022年度
延べ合格者数
1級10.5%5,270人
2級30.7%128,853人
3級42.0%352,840人
参考:簿記 受験者データ | 商工会議所の検定試験

3級から1級に進むにつれて、合格率も低くなり、合格者数も少なくなります。

特に1級と2級の間の差は大きいことから、1級が非常に難易度の高い検定であることがよく分かります。

合格者率は、あくまで合格基準に達した人数の比率です。

日商簿記3級であれば、上位40%の点数を取らなければ合格できない、という話ではありません。

全員70点以上の正解であれば、その回は合格率100%もあり得るのが日商簿記検定の特徴です。

よって、合格率に惑わされず、合格基準を超えることに集中して対策を進めましょう。

日商簿記検定試験の注意事項

日商簿記検定当日の注意事項は試験形式に関係ない内容もあれば、関係する内容もあります。

日商簿記検定当日の注意事項を整理すると以下の通り。

注意事項統一試験ネット試験
共通事項・答案は開示なし
・飲食は禁止
・試験時間中は、スマホの使用が禁止
・試験問題を含め、試験に関して知りえた情報全般の複製、外部への開示、漏洩は禁止
・受験者以外、試験室への入室は不可
試験特有・試験問題・答案用紙・計算用紙はすべて回収
・試験会場の変更不可
・会場には同伴者の待機場所なし
・試験室に本人確認書類以外の私物持ち込み不可
・渡されたメモ用紙や筆記用具、その他の貸与品を試験開始前に使用不可
・PCを停止することや試験環境を不全にする行為および試験に必要な機能やアプリケーション等以外の活用禁止
・試験室に入室した後、終了するまで退室不可
参考:東京商工会議所 日商簿記検定試験 受験上の注意事項

参考:受験者ご利用規約(対象:CBT試験・IBT試験)

統一試験は過去に経験してきたペーパー試験とほぼ変わりません。

一方、ネット試験では、筆記用具の持ち込みだけでなく、時計などの私物を一切持ち込めません。

試験会場のロッカーに本人確認証以外を預けて、試験室に入室します。

そのため、いつもと違う状況に落ち着かず、本来の力が発揮できないといったことが無いように、事前に確認しておきしましょう。

日商簿記検定の申し込み方法から合格までのステップ

日商簿記検定の申し込み方法から合格までのステップ

日商簿記検定は受験する試験方式が変わっても、申し込みから合格までの流れは変わりません。

しかし、申し込みの手続き方法や時期、合格発表のタイミングなど異なります。

そこでここからは、統一試験とネット試験のそれぞれの形式での、申し込みから合格までのステップと内容をご紹介します。

統一試験の申し込み方法から合格までのステップ

統一試験では申し込みから合格証受領まで、受験先の商工会議所と直接やり取りを進めます。

申し込みから合格までの作業は、6つのステップで構成されます。

stepやること詳細内容
step1試験日と試験実施する商工会議所を確認・試験を実施する商工会議所を確認
確認先:商工会議所検索
step2受験申し込み方法等を確認・試験日の2ヶ月前に受験希望の商工会議所に受験申し込み方法、受験申し込み書の入手方法、受験料の支払方法等を確認
step3受験申し込み・受験予定の商工会議所の指定する方法で申し込み
・申し込み時期は試験の約1ヶ月前
step4試験を受験・受験者本人であることが分かる身分証明書を持参
step5合否発表・合格証書等の受領・合否発表の日時や合格証書等の配布方法は、商工会議所により異なるため、商工会議所に要確認

統一試験の申し込み期間は2週間程度で、申し込み時期も試験の1ヶ月程度前です。

受験先の商工会議所によって、申し込み方法や時期が異なります。

万一申し込みを逃すと、次回の試験まで4ヶ月以上待たなければならないため、くれぐれも注意しましょう。

ネット試験の申し込み方法から合格までのステップ

ネット試験は検定をテストセンターで受験すること以外は、全てインターネットで手続きを進められます。

申し込みから合格までの作業は、6つのステップで構成されます。

stepやること詳細内容
step1ネット試験会場を確認・試験を実施する商工会議所を確認
確認先:商工会議所ネット試験施行機関
step2試験日や受験申し込み方法等を確認・受験を希望するネット試験会場の試験日や受験申し込み方法、受験料の支払方法等を確認
確認先:ネット試験の受験方法 | 商工会議所の検定試験
step3受験申し込み・専用webページから申し込み
申し込み先:日商簿記 | CBT-Solutions CBT/PBT試験 受験者ポータルサイト
step4試験を受験・受験者本人であることが分かる身分証明書を持参
step5合否発表・合格証(デジタル)を受領・試験終了と同時に採点され、その場を合否結果通知書を受領。合格時は同書面の二次元コードからデジタル合格証を入手

ネット試験はあなたの都合や勉強の準備状況に合わせて自由に受験場所・日時を選択できます。

更に合格結果はその場で確認でき、合格証もすぐに入手できます。

まとめ:日商簿記は合格のチャンスが年に複数回ある資格試験

まとめ:日商簿記は合格のチャンスが年に複数回ある資格試験

この記事で、日商簿記とその検定試験についてお伝えした内容をまとめると以下の通り。

  • 日商簿記検定の受験チャンスは1級なら最多年2回、2・3級なら最多83回
  • 3級と2級、2級と1級の間の難易度には大きな違いがあるため、簿記初心者なら3級からの挑戦がおすすめ
  • ネット試験なら、試験申し込みからデジタル合格証までスマホだけで手続き可能

日商簿記検定は、より多くの人に簿記知識を獲得してもらおうと、試験方式を拡大しています。

特に簿記初心者が最初に挑戦することになる日商簿記3級や上位の2級ならば、ネット試験を活用すれば年に10回以上も受験可能です。

しかし、試験回数を重ねると、合計の受験費用も無視できない金額に。

そのため、対策勉強の進捗を見計らい、ここぞという時期にあなたの都合で受験可能なネット試験を利用することをおすすめします。

日商簿記検定はいつから対策をはじめても、準備ができたら、すぐに試験に挑戦できます。

思い立ったら吉日。

1日でも早いあなたのキャリアアップ・スキルアップの実現のためにも、さっそく勉強にとりかかり、日商簿記検定の合格をもぎ取りましょう。

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