キャリアアップや転職の際に有利とされる簿記2級に関して、1ヶ月などの短期間で合格したいと考える方は少なくありません。
- 簿記2級に1ヶ月で合格できる勉強法とは?
- 簿記2級に1ヶ月で合格するために必要な勉強スケジュールとは?
- 簿記2級に1ヶ月で合格するためのポイントは何?
簿記2級を1ヶ月の準備で合格するのは不可能ではありませんが、成功率は低く難易度の高いチャレンジです。
なぜなら、簿記2級の合格には幅広い学習範囲と複雑な論点の理解が必要であり、それには250時間程度の勉強時間が必要であるためです。
この記事では、簿記2級を1ヶ月で合格するための勉強方法やスケジュールとともに、押さえるべきポイントや利用すべき教材を順に紹介します。
1ヶ月での簿記2級合格のために集中的に勉強して、目指したいキャリアや将来の実現に近づきましょう。
目次
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簿記2級を1ヶ月で合格することは可能?
簿記2級の1ヶ月での合格は非常に難易度の高い挑戦ですが、決して不可能ではありません。
ただし、簿記3級の学習経験がない、または簿記に関連する仕事や勉強をしたことがないと、1ヶ月の準備期間は十分とはいえないです。
一方で、簿記3級の合格実績や相応の知識・経験があれば、学習の工夫次第で合格できる可能性はあります。
そのため、例え社会人であってもスキマ時間を使った勉強を駆使すれば、合格する見込みはあります。
つまり、1ヶ月で簿記2級に合格するのは相当困難ですが、前提知識の有無や準備方法によっては成功する可能性のある挑戦です。
簿記2級を1ヶ月で合格するための勉強法
日商簿記2級を1ヶ月で合格するためには、インプットとアウトプットを効率的に進めるのが重要です。
簿記2級の勉強を進める上で、取り組むべき勉強内容は以下の3点に整理されます。
- 商業簿記を学ぶ
- 工業簿記を学ぶ
- 予想問題集を解く
簿記2級に合格するための段取りや内容を確認して、効率的に勉強を進めましょう。
商業簿記を学ぶ
簿記2級で初めて学ぶ論点に集中して学習する方針が、商業簿記においては重要です。
なぜなら、3級での学習内容の深掘りした論点や新しい論点が追加されて、商業簿記の学習範囲は幅広くかつ難しくなっているためです。
また、工業簿記に比べると試験問題のバリエーションも多いため、工業簿記よりも学習時間を長くあてられると試験への不安も軽減できます。
特に新しい論点、例えば連結会計は解き方が単純ではないため、問題演習や内容理解に時間を取られやすい点には注意が必要です。
そのため、1ヶ月で簿記2級合格を目指すならば、簿記3級の内容を記憶できている状態で2級範囲の勉強に取り掛かるのが理想的です。
工業簿記を学ぶ
簿記2級における工業簿記の学習は、試験で頻出の論点に重点をおくのが1ヶ月で合格するために必要な取り組み方です。
試験問題は出題傾向がパターン化しており、そのパターンから外れる論点の勉強に時間を割くよりも、点数獲得において効率的であるためです。
工業簿記は、商業簿記と似た論点もあれば工業簿記ならではの独自の論点があります。
独自の論点では図表の活用が必要なケースが多く、手を動かして自分で図表を書く練習を反復すると内容の理解も促進されやすくなります。
テキストや講義で解説される図表を使いこなせるようになるまで問題演習を繰り返し、短期間での試験範囲の習得を目指しましょう。
予想問題集を解く
試験の予想問題集を何度も解き直して、試験の傾向や時間配分の理解を進めるとともに、苦手な論点を明らかにするのが大切です。
簿記2級は3級と比べて試験時間が1.5倍ですが問題数はそれ以上に増えるため、問題の解答速度を上げないと合格点の獲得が困難なためです。
初めて予想問題を解くと制限時間を大幅に越えるだけでなく、理解度が低い論点の問題は解けなくて満足いく点数が取れないでしょう。
しかし、問題演習の回数を重ねると自然に問題を解く速度が上がり、復習で理解度を高めれば次第に制限時間内で合格点を獲得できるようになります。
そのため、テキストや講義で試験範囲の学習をするよりも、問題集などを通じてアウトプットする時間を多くして学習内容を定着させましょう。
簿記2級に合格するために必要な勉強時間
簿記2級の合格には、おおよそ250時間の勉強時間が目安となります。
学習方法の違いや簿記3級の理解度により勉強時間は変わり、特に簿記3級の知識がない場合や忘れている場合は3級の勉強時間も必要です。
仮に目安の250時間で考えた場合、1ヶ月で合格するには毎日8時間以上も勉強しなければなりません。
そのため、簿記勉強だけに集中できない社会人の場合、出勤前や帰宅後の時間だけでなく通勤時間や昼休みなどの隙間時間の活用が大切です。
1ヶ月で簿記2級を目指すならば、1日の3割以上を勉強時間に充てる必要があり、意識的に勉強時間を創出するのが重要です。
簿記2級を1ヶ月で合格するための勉強スケジュール
1ヶ月で簿記2級の合格を目指す場合には、1ヶ月を5週間に分割して勉強スケジュールを立てましょう。
社会人など多忙な方が合格を狙うには、学習ゴールを週単位で設定しなければ準備が間に合わないためです。
5週間に分割した際に週単位で設定すべき学習内容や対応事項は以下のとおりです。
- 1週目:工業簿記のインプットと問題演習
- 2週目:商業簿記のインプットと問題演習
- 3~4週目:試験予想問題の反復
- 5週目:総仕上げと試験受験
実際に進める場合には、日単位のゴール設定をして予定から遅れが発生しないようにスケジュール管理も実施しましょう。
1週目:工業簿記のインプットと問題演習
1週目は工業簿記のインプットや問題演習に集中して、工業簿記で問われる内容を大まかに把握するのが肝要です。
工業簿記から始めるのは、商業簿記に比べて学習範囲が狭く難易度も低いことから、理解が進みやすいためです。
テキストや講義で論点を学んだら、その直後に問題演習して理解度を確認し、理解が不十分な箇所は改めてインプットしましょう。
先述のとおり工業簿記は図表を書くと内容理解が効率的になるため、見聞きだけでなく手を動かしながら学習するのが肝要です。
2週目:商業簿記のインプットと問題演習
2週目に入ったら、学習内容を商業簿記に切り替え、試験範囲を把握するのに努めましょう。
商業簿記は3級の知識を前提に内容が上乗せされるだけでなく新しい論点も加わるため、工業簿記よりも学習範囲が広く複雑です。
よって、1巡目から全てを完璧に理解するよりも時間重視で試験範囲を掴み、可能であれば2巡目で理解の定着や苦手解消を進めるのが効率的です。
学習するテキストや講義で試験の頻出度が提示されている場合には、高頻出な論点の学習を優先し、頻出度の低い論点は後回しにする方法もあります。
学習の進め方は工業簿記と同様に、論点を学んだら問題演習で理解度を確認するサイクルでインプットとアウトプットを繰り返しましょう。
3~4週目:試験予想問題の反復
試験範囲をひととおり学んだら、試験予想問題を繰り返し解いて、試験の傾向や特性を理解するのが重要です。
試験の傾向や特性を把握して、その対策を的確に行えば得点しやすくなるためです。
3週目は予想問題を通しで解くよりも、設問ごとに分けて解いて設問の得手不得手を明らかにしつつ、正答率の向上を目指します。
4週目は、予想問題を一気に解く練習を繰り返し、時間配分の調整や設問の解く順番の確認をしながら最大90分間集中し続けられるよう訓練します。
苦手に感じる論点の設問がある場合は、この期間にテキストや講義内容を復習して、可能な限り解けない論点を減らしましょう。
5週目:総仕上げと試験受験
5週目は試験に向けた総仕上げをして、試験を受けるのみです。
総仕上げでは、実際に受ける試験形式を想定した予想問題を解いて、試験当日に慌てないように順応するのがゴールです。
特にネット試験では、手元で計算して回答をパソコンに打ち込んだり回答を選んだりする必要があり、問題用紙に回答する試験とは回答手順が異なります。
よって、ネット試験を受験する場合には、事前にネット試験専用の予想問題をパソコンで解く練習を重ねるのが大切です。
試験前日は十分な睡眠をとり、万全な状態で試験に臨みましょう。
簿記2級を1ヶ月で合格するためのポイント
簿記2級を1ヶ月で合格するには、効率的に準備を進める必要があります。
効率的な準備を進めるうえで、押さえるべきポイントは4つです。
- 最初から全てを理解しようとしない
- 論点学習と問題演習を繰り返し往復する
- 問題は解ききる
- ネット試験を受験する
ムダやムリを可能な限り排除して、簿記2級の勉強や試験準備に取り組みましょう。
最初から全てを理解しようとしない
簿記2級は学習範囲が広く複雑な内容も多いため、1回の学習で完璧な理解を追求せず、学習範囲全体の大まかな把握に努めるのが肝要です。
仮に時間をかけて完全な理解をしたつもりでも、新たな論点の学習を進めると次第に記憶が薄れ、忘れる可能性は高くなります。
学習内容の記憶定着には反復学習が有効であるため、論点を大まかに理解できたら次の論点に進み、途中で戻って復習するサイクルが有効です。
特に1ヶ月での合格を目指す場合、試験範囲の把握にかけられる期間は限られるため、出題可能性の高い論点の理解に注力するのが現実的な対策方法です。
参照:The Critical Importance of Retrieval for Learning
先述したスケジュールで進める場合には、最初の2週間で全体像を把握し、試験予想問題に取り掛かる2週間で復習を反復して理解を進めましょう。
論点学習と問題演習を繰り返し往復する
テキストや講義を見聞きしたら、例題や類題を解いて学習内容の理解度を確認し、不明点はすぐに復習して理解不足な論点をつぶすのが重要です。
学習効果を比較すると、問題解答は見聞きする場合よりも高い学習効果があるとされているためです。
参照:Science「The Critical Importance of Retrieval for Learning」
私も問題に取り掛かると理解したつもりの論点が分かっていなかったことが多く、意識的に復習を重ねたことで理解が飛躍的に進みました。
1ヶ月での合格を目指すには効率的に理解する学習方法の実践が大切であり、インプットとアウトプットの反復は学習方針に合致するアプローチです。
問題は解ききる
問題に取り掛かる場合には、問題を最後まで解ききるのが大切です。
なぜなら、問われている回答を最後まで検討・計算する過程は、理解できていないことを洗い出せる貴重な機会であるためです。
例えば、問題によっては仕訳した結果と仕訳以外の情報を組み合わせた数字の回答が求められる場合があります。
仮に仕訳が正しく検討できたとしても、回答を導き出すための手順を理解できていなければ得点できません。
そのため、問題演習する際には回答を出しきり理解状況を明らかにして、理解が不十分な論点に的確にテコ入れできるようにしましょう。
ネット試験を受験する
1ヶ月での合格を目指す場合には、受験する試験形式はネット試験を選択しましょう。
ネット試験を推奨する理由は2つあります。
1つ目は、ネット試験であれば、受験者の都合に合わせて受験場所や日時を自由に選択できるためです。
もう1つの理由は、ネット試験は年3回実施される紙に回答する統一試験と比較すると、平均合格率が高いためです。
ネット試験が開始されてからの平均合格率を分析すると、ネット試験は38%に対して統一試験は20%であり、ネット試験の合格率が高くなっています。
ネット試験はいつでも挑戦でき、試験内容もパターン化されているため対策を講じやすいため、1ヶ月での合格を目指す場合には積極活用しましょう。
簿記2級を1ヶ月で合格するために利用すべき教材
簿記2級の1ヶ月合格を目指す際には、学習効率の高い教材の活用が重要です。
特に勉強期間が短いため、効率的な学習を進めやすい教材は必須であり、さまざまな教材の中で利用を検討すべき教材として3つ挙げられます。
- 通信講座
- 試験予想問題集
- YouTubeの講義動画
効率性を重視した教材を活用して、理解度を合格に必要な水準まで短期間で高めましょう。
通信講座
通信講座を活用すると、独学よりも効率的に学習を進められます。
なぜなら、過去の試験傾向などを踏まえてカリキュラムが構成されている場合が多く、重要性の高い論点を中心に学習できるためです。
また、講座によっては、質疑応答を受け付けてくれるケースもあります。
不明点を独力で理解しようとすると時間を浪費してしまう可能性がありますが、質問で疑問点を解消できれば効率的に理解度を高められます。
簿記2級を1ヶ月で学べる通学講座を見つけるのは非常に困難なため、教えてもらいながら学びたい場合には通信講座を利用しましょう。
試験予想問題集
試験予想問題集は、実際の試験内容に近い問題が掲載されているため、試験対策に必須のアイテムです。
例えば、試験問題の大問1は仕訳問題ですが、問題文の表記に慣れるまでは、文章読解に時間がかかる場合があります。
予想問題集では実際の試験に類似の問題表記になっているため、繰り返し解くと次第に慣れて問題文から回答の推測が可能になります。
さらに先述のとおり、ネット試験に特化した予想問題が準備されているケースもあり、受験する試験形態に合わせた準備が容易です。
試験で出題される問題は傾向があるため、反復実施による傾向の把握と解答速度の向上を進めて、試験対策を充実させましょう。
YouTubeの講義動画
経済的に有料教材を利用するのが困難な場合には、YouTubeで公開されている講義動画の活用が有効です。
YouTubeの公開動画の多くは無料視聴が可能であり、複数の動画から自分に合った動画を選択できる自由度の高さがメリットです。
講義動画の中には市販テキストの筆者が投稿している動画もあるため、テキストを見ながら勉強したい方でも活用できます。
また、人気のある講義動画の投稿者は公認会計士など簿記のプロである場合が多く、講義内容の分かりやすく信頼性が高いです。
隙間時間での学習や倍速再生で短時間学習もしやすいことから、多忙な社会人でも簿記勉強を効率的に進められる教材と言えます。
効率的な勉強を追求して1ヶ月での合格へ
この記事では、簿記2級を1ヶ月で合格するための勉強法やスケジュール、押さえるべきポイントを紹介しました。
日商簿記2級を勉強開始から1ヶ月で合格するのは難易度が高い挑戦ですが、適切に準備を進めれば合格できる可能性はあります。
1ヶ月以内での合格を目指すならば、週単位で学習目標を設定し、日々の勉強のゴールを明確にして取り組むのが重要です。
また、満点を狙うのではなく合格基準点70点を確実に獲得できるよう、出題頻度が高い論点を中心にインプットとアウトプットを反復するのがポイントです。
挑戦する1ヶ月間は日常生活と勉強の両立で多忙を極めますが、合格した先に広がる将来の可能性を信じて取り組みましょう。
簿記2級オンライン講座の比較表
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実績 | × | 年間合格1,200人〜 | × |
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