簿記3級を一夜漬け!難易度や合格のポイント、勉強法【1日や3日で受かる?】

簿記の一夜漬け

今、この記事を読んでいる人は簿記3級の試験をこれから受けようとしている人、本試験当日までに簿記3級の勉強時間がどれくらい必要なのかを調べている人などではないでしょうか?

あるいは、簿記3級の試験勉強を既に始めているものの、試験範囲の勉強が中々終わらずに困っている人もいるでしょう。

簿記の3級試験と聞くと、他の資格試験と同じように一夜漬けで頑張れば何とかなると思っている人もいるかも知れません。

私自身も簿記3級の試験勉強を始めるまではそのように思っていましたが、果たして本当に一夜漬けで乗り切れるのでしょうか?

事実として、簿記3級の試験に関しては一夜漬けで合格するのはかなり難しいと言わざるを得ません。

今回の記事では努力すれば一夜漬けで簿記3級に合格できるのか、また、もし一夜漬けで乗り切れるとしたらどのような人がその対象になるのかをメインに解説しています。

なお、本気で短期間で合格したいならば、テキストを一人で読み込むのではなく、プロの講義を聴き、速攻で理解して、問題集を解きまくるのが最短です。

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【結論】日商簿記3級を一夜漬けで突破するのは不可能に近い

まずはじめに結論から申し上げると、初学者が簿記3級を一夜漬けで突破することはほぼ不可能だと思ってください。

「間に合わないと思ってるからこの記事を読んでるのに!」という人は、後半の記事で一夜漬けで合格できる可能性のある方法を書いてあるので、気になる方は先にそちらの段落を読んで頂ければと思います。

初っ端から身も蓋も無いことを書いてるように思われるかも知れませんが、これは私自身が簿記3級を受験して合格した後に感じた事実です。

「いやいや、他の検定試験で3級くらいの資格試験だったら過去に受かったことがあるよ!」という人もいるでしょう。

ですが、簿記3級の試験だけはそうはいきません。

ここでは、なぜ簿記3級の試験は他の検定試験と異なり、一夜漬けで突破するのが難しいのか、その理由を記載していきます。

理由1:初めて聞く会計の専門用語が多い

学校や塾の勉強と違って、簿記や会計の勉強というのは、いざやろうと思った時に初めて勉強する内容であることが多いです。

小・中学校の義務教育では簿記や会計の授業などは無いですし、高校生といえども商業科の学生以外は会計用語に触れることすらほぼありません。

簿記3級の勉強をし始めると、最初の方に「借方」や「貸方」などの専門的な用語が登場します。

他にも、「仕訳」や「勘定科目」といった用語も勉強を始めてすぐのステップで登場します。

このような新しい用語の意味や定義を頭に叩き込むことから始めなければいけません。

なお「借方」、「貸方」、「仕訳」、「勘定科目」などの詳しい説明は割愛しますが、気になる方のために簡単に記載だけしておきます。

  • 「借方」…帳簿の左側に記載する資産や費用の増加、または負債や収益の減少を表す項目
  • 「貸方」…帳簿の右側に記載する資産や費用の減少、または負債や収益の増加を表す項目
  • 「仕訳」…借方と貸方の帳簿項目を記録し、会計取引を正確に記録するための方法のこと
  • 「勘定科目」…資産、負債、純資産、収益、費用など、財務上の項目を分類するための帳簿上のカテゴリのこと

理由2:初学者には問題の分量が多く、難易度が高い

簿記3級の試験範囲自体が義務教育で習うものでは無いため、全てゼロから勉強をする必要があります。

先ほど挙げた専門用語についてもそうですが、簿記や会計の癖やルールにも慣れていかなければなりません。

少しでも簿記3級の勉強をしたことがある人なら分かるかも知れませんが、まず内容や概念を理解するまでにとても苦労します。

もともと、実家が自営業だったり、商業科の高校に通っていたりした場合は別かもしれませんが。

また、練習問題や過去問を解くのにも、最初は恐ろしいほど時間が掛かります。

普段電卓を使い慣れていない人は、電卓の操作にも慣れていかなければなりません。

英語・数学・国語・理科・社会のように、一度でも学校で触れたことのある教科・領域であれば馴染みがあるかもしれませんが、簿記はそれらの教科とは考え方や概念が異なります。

これから簿記の勉強を始めようとする人は、時間に余裕を持って準備するようにしましょう。

理由3:理論と実践が複雑に絡み合っている

簿記3級の試験勉強を始めて、きちんとテキストを読んで、いざ問題を解こうとした時に全く手が動かないということがしばしばあります。

というのも、簿記の試験は知識だけを問う試験ではなく、必要な帳簿を作成するための技術も試される試験だからです。

例えば、数学のように公式さえ覚えておいて数字を当てはめていけば解けると思っている人もいるかも知れません。

ですが、帳簿を作成するための簿記の技術は数学のように公式に当てはめて解答するような問題ではないのです。

具体的には、会計や帳簿に関する資料がその場で与えられて、それらの構成要素を使って必要な帳簿を作り上げていかねばなりません。

そのため、何度も何度も練習して頭と身体で解き方を身体に染み込ませていく必要があります。

野球を練習するときの素振りの練習、バスケットボールのフリースローの練習などを思い浮かべて貰えば分かりやすいでしょうか。

どんなに知識があってキレイなフォームが頭の中で分かっていても、時間を掛けて練習しなければ中々上達していかないのです。

簿記の問題が解けるかどうかも、これに似たようなところがあるでしょう。

日商簿記3級を一夜漬けで突破できる可能性のある人

ここまで、一夜漬けで簿記3級の試験に合格するのはかなり難しいという話をしてきました。

ですが、これから簿記3級の試験を受験しようとしている人には一夜漬けで突破できる可能性のある人もいます。

もしご自身が該当している場合は「もう間に合わない!」と思っていても、試験を突破できる可能性がありますのでぜひ読んでみてください。

経理を仕事にしており、日々の業務で取り扱っている

もし今現在、経理の仕事や経理の部署で勤務している方であれば、簿記や会計の概念、初学者が聞き慣れない専門用語においても抵抗は無いでしょう。

ただし、普段から会計ソフトを使って自動で仕訳をしていたり、勘定科目などが自動的にカテゴリー分けされていたり、電卓を使わずにパソコン内で自動計算していたりすると、本試験で苦戦を強いられるでしょう。

この点、昔ながらの手書きの帳簿をつけている人は強いかも知れません。

簿記3級の試験は、最終的には自分の力で貸借対照表や損益計算書といったような帳簿を作り上げていく力が試されます。

自分の手で仕訳作業をおこなって、電卓を打って計算をして、きちんと表を1つずつ埋めていく作業ができれば合格へ近づくことができます。

商業高校や経理の専門学校に通って毎日授業で勉強している人

今現在、商業高校や経理の専門学校に通っている人で、毎日簿記3級の試験範囲を勉強している人であれば、学習がほとんど終わっている人もいるでしょう。

簿記3級の試験は100点満点のうち70点以上を取れば合格できます。

言い換えれば、もし既に8割近くの学習が終わっていたら、かなり合格する可能性が高いと言えます。

講義を聞くだけでもかなり時間を要するのですが、既に授業で学習が終わっているのであれば、あとはひたすら問題を解いて練習すればOK。

いくら授業でその範囲の学習が終わっていても、問題を解く練習をしていなければ本試験でスラスラと問題を解くのは難しいでしょう。

もし、講義が終わる度にきちんと問題演習をこなしていたということであれば、一夜漬けでも合格の可能性は充分にあります。

過去に簿記の勉強をしたことがあり、再度挑戦しようとしている人

一夜漬けでも簿記3級に合格できる可能性がある人として、過去に簿記試験に挑戦したことのある人、再度挑戦しようとしている人などが挙げられます。

一度でも簿記3級の学習をした事があれば、既に全範囲の学習が終わっているので、改めて全ての単元を学び直す必要はないでしょう。

注意点としては、しばしば試験の範囲が改定されるので、現在おこなわれてる簿記3級の試験がどの範囲から出題されるのかを商工会議所のホームページ等からチェックしておかなければなりせん。

今現在、簿記3級の資格を保有していないということは過去に何らかの理由で簿記3級の資格を取得できなかった事実があるはずです。

もし、改めて簿記3級の資格を取得しようとするのであれば、過去の事実や弱点を克服する必要があります。

例えば、簿記3級の受験生が苦手とする項目として、訂正仕訳、現金過不足、損益振替などの単元があります。

もし、それら単元を克服できないまま放置しているようであれば、合格できるラインまで実力をつけておきましょう。

日商簿記3級に合格するためのポイント

ここからは、一夜漬けではなく、きちんと時間を確保して日商簿記3級に合格するためのポイントについて記していきます。

直近の試験を見送って次回以降の試験を受ける方にとっては、かなり参考になる内容でしょう。

あるいは今が本試験直前という人で、これらのポイントを既に克服できていれば、3級合格の可能性は大いにあります。

重要な用語や式を暗記する

もはや当たり前と言えば当たり前のことなのですが、重要な用語や式がうろ覚えだと解けるはずの問題も解けなくなってしまいます。

特に重要な項目としては、簿記3級に登場する沢山の勘定科目が「資産」、「負債」、「純資産」、「収益」、「費用」の、どのカテゴリーに属するのかは絶対に覚えておかなければなりません。

本試験では、出題される勘定科目が5要素のどれに分類されるのかは書いてありません。

きちんと自分で事前に勉強して、どの勘定科目がどのカテゴリーに分類されるかを把握しておく必要があります。

また、資産や負債が増えた時や減った時、収益や費用が増えた時や減った時に、どのような仕訳の処理をするのかを理解しておかなければなりません。

過去問などの問題演習に重点を置く

簿記3級の試験を突破するためには、テキストを読み込んだり、講義を真面目に聞いたりする以上に、繰り返し問題演習をおこなうことがとても重要です

先ほども少し触れましたが、簿記の試験は「知識」と「技術」、両方の実力を試される試験です。

覚えておくべき知識が頭に入っているのは大前提として、本試験では仕訳、帳簿記入の問題、決算整理仕訳などの問題を自力で解けなければなりません。

本試験でスラスラと問題を解けるようにするためには頭に知識が入ってるだけではダメで、練習問題を沢山こなして、いかに練習の時と同じように本番でスムーズに問題が解けるかが重要となってきます。

なお簿記検定では、2020年から過去問の公開・配布を禁止されているので、問題演習をするならば市販の問題集でおこなう人が一般的です

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理論と実践の両方に対応できるように勉強する

簿記の勉強は理論と実践、その両方の力が揃っていないと合格することは難しいです。

いくら簿記や会計のルールが分かっていても、自分の力で帳簿が作成できなければ合格点には近づけません。

逆に、いくら仕訳や電卓での計算操作が得意でも、帳簿の意味や簿記全体の手順が分かっていなければ、問題の意図を把握できません。

このように、理論と実践の両方の力が備わっていないと簿記3級の試験に何度挑戦しても、合格を勝ち取るのは難しいでしょう。

学習を進める際には、テキストを読んだり、講義を聞いたりしたら、必ずその単元の練習問題を解いて、頭と身体に解き方の感覚を染み込ませる必要があります。

それでも、一夜漬けで簿記3級試験を受けてみたい人へ

ここまで、簿記3級に合格するポイントを書いてきましたが、それでも一夜漬けで簿記3級試験を受けてみたいという人もいるでしょう。

この段落では、そんな状況においても簿記3級の試験に合格できる手段をご紹介します。

ただし、この方法で合格できる人というのは簿記や会計のセンスがズバ抜けているひと握りの人だけということを補足しておきます。

テキストを全ページ読み切る

簿記3級のテキストを初見ですべて読破して、特に理解出来なかった箇所が無いという人であれば、もしかしたら一夜漬けでも合格できるかもしれません。

最初は専門用語、簿記や会計の癖やルールを掴むだけでも精一杯であることが多いですが、つまずく所が無いということはその部分もスムーズに理解できたということ。

初学者にとっては、「なぜこうなるのか?」、「なぜこのような処理になるのか?」と色々な疑問が出てくることも多いです。

ですが、既にそれらの疑問を乗り越えたレベルに達しているということであれば、すぐにでも問題を解き始められるでしょう。

仕訳だけでも完璧にできるようにする

簿記3級の試験は大きく第1問から第3問までの問題で構成されており、仕訳の問題が出題される第1問だけで45点の配点があります。

100点満点中の45点ですので、この第1問に全問正解すれば全体の半分近くの得点を稼ぐことが可能。

もし、一夜漬けで乗り切れる可能性があるとしたら仕訳の技術だけでも完璧にしておかなければなりません。

同じ模擬試験を何度も解いて70点以上を目指す

簿記3級の試験は100点満点のうち70点以上の点数を取れば合格できます。

極端なことを言えば、100点を取っても70点ギリギリの点数を取っても、簿記3級の試験は突破できます。

先ほど書いた第1問の仕訳問題で45点を取って、残りの第2問と第3問で25点以上とればOK。

第2問の配点は20点、第3問の配点が35点ですので、第3問で35点取れば第1問と合わせて80点になるので、第2問がたとえ0点でも合格となります。

ただし、これはかなり難易度の高い方法だということはお分かり頂けるでしょう。

ちなみに、第2問は伝票作成問題がメインなので人によって得意・不得意が分かれるところです。

第3問については決算整理問題がメインなので簿記や会計の仕組みを完璧に理解しており、簿記全体の流れをきちんと把握しておけば、正解に限りなく近い帳簿を作成できるかも知れません。

ですが、事前に何の問題演習もせずに、この第3問の決算整理問題を完璧にこなすのは、かなり至難の業と言えます。

可能であれば、同じ模擬試験を何度も繰り返し解いて、安定して70点以上取れるようにしておきたいところです。

一夜漬けではなく、日商簿記3級合格ためのスケジュールをきちんと組み立てよう

簿記3級の試験は初学者にとって、かなりの対策時間を要します。

一般的に、簿記3級を初めて学習する人にとっての必要な学習時間は100時間ほど。

とても一夜漬けでどうにかなる試験ではありません。

また、この100時間という数字は「スムーズに学習が進んで」という前提が入ります。

これから簿記3級の学習を始めようとする方は、この100時間という数字を必ず覚えておいてください。

学生なら授業やアルバイトの空き時間、土日も勉強時間にすべて充てられるかも知れませんが、フルタイムで働いている会社員の方はそうはいきません。

家族や子供がいる家庭であれば、さらに時間が限られてくるでしょう。

一夜漬けで合格を目指すというのは、かなり無理なプランであるということを把握しておき、うまくスケジュールを調整して簿記3級取得までのプランを余裕を持って練るようにしましょう

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