3級より問題が難しいけれど、解けるようになる?
試験時間内に全ての問題を解ける?
簿記2級の内容は3級とは比較できないほど難しく、試験勉強の終わりが見えなかったり、問題が解けなかったりと、心が折れそうになります。
結論から言うと、日商簿記2級に受かる気がしない理由は3パターンに分類され、それぞれの解決法を押さえた準備を進めれば、合格できます。
なぜなら、2級は学習範囲が広く、試験問題も3級より難しくて問題量も増えるため、3級と同じ感覚での準備では歯が立たないためです。
IT企業で10年以上営業職しか経験のない私でも簿記2級に一発合格できましたが、2級の勉強当初は同じ悩みで相当苦しめられました。
その経験をふまえ、簿記2級に受かる気がしないと思う原因と不安の解決方法とともに、日商簿記2級の攻略方法を順を追ってお伝えします。
本記事を読むことで、自分の悩み解決につながる対策方法が明らかになり、受かる気がしないという不安を払拭できます。
目次
簿記2級オンライン講座の比較表
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簿記2級に受かる気がしないと思う原因
日商簿記2級の勉強をしていて、受かる気がしないと思う原因は3つの要素に整理されます。
3級の感覚で2級の勉強をしていると、学習範囲が広くて、問題が複雑なうえ、試験問題が時間内に解けない、という悩みに陥りやすいです。
しかし、この感覚は3級を学んだからこそ生じる正常な感覚であり、あなたの学力やセンスのなさを意味しているわけではありません。
日商簿記2級に1発合格できた私も、2級の勉強の過程で全ての悩みにしっかり陥りました。
受かる気がしないと思う原因を客観的に掴み、あなたが何に悩んでいるのかを正確に理解できれば、悩み解決の道筋が見えるようになります。
試験範囲が広すぎる
日商簿記2級の学習範囲は、3級でも勉強した商業簿記に工業簿記が追加されるため、3級の学習範囲の2倍程度の広さです。
日商簿記3級に合格した人が2級の勉強に取り掛かると、3級と同じ学習時間で2級の学習内容を理解するには不十分だとすぐに気づきます。
実際、私の勉強時間で比較すると、3級は100時間でしたが、2級は250時間と2倍以上の時間がかかりました。
そのため、日商簿記2級を3級と同じ感覚で習得できると考えている場合、2級は非常に広く感じて当然です。
日商簿記3級から2級に進むと、学習範囲が商業簿記と工業簿記に2つの論点に増えるため、3級の感覚のままだと広すぎると感じやすいです。
問題が複雑で難しすぎる
日商簿記2級になると、単純な仕訳問題だけでは答えに到達できない問題が増えるため、3級より問題の複雑度や難易度が上がります。
3級は仕訳が確実にできれば合格に限りなく近づけるのが特徴ですが、2級だと仕訳単体だけでは合格に必要な70点に辿り着くのは困難です。
例えば、2級から登場する連結会計の論点では、単純な仕訳の結果を足し引きしないと回答が導き出せないケースがあります。
そのため、回答対象の勘定科目の数字を算出するにあたり、集計対象の勘定科目と集計方法の理解が必要であり、この点が複雑性の原因です。
2級は仕訳問題のパターンを暗記するだけでは、回答に辿り着けない問題が多い点が、複雑で難しすぎると感じる要因になっています。
問題量が多すぎる
日商簿記2級の試験は、3級の試験時間60分で3つの設問を解く速度で処理していては、全てを回答するのは非常に困難です。
なぜならば、3級から2級に進んだことによる試験時間の増え方よりも、設問数の増え方の方が大きいためです。
3級は試験時間60分で3つの設問を解きますが、2級は試験時間90分で5つの設問を解く必要があります。
増加率を比較すると、試験時間が1.5倍に対して問題数は1.67倍と大きく増えているため、3級と同じ処理速度では時間内に終わりません。
そのため、予想問題などを初めて解いた人は、3級よりも2級の問題数が設問数以上に多く感じやすくなっています。
受かる気がしない不安の解決方法
受かる気がしない不安の原因が明確になると、解決する手段も明確になります。
そこで、前述した受かる気がしない原因に対する解決方法を順番に紹介します。
- 試験範囲の学習方法を変えてみる
- 解き方の型を覚える
- 問題演習を重ねる
あなたの悩みに合わせた解決方法を勉強に取り入れて、不安解決を図りましょう。
試験範囲の学習方法を変えてみる
日商簿記2級の学習範囲があまりにも広く、一通りの勉強を終える目処がつかずに悩んでいるならば、勉強方法の見直しが有効です。
例えば、今まで、独学で参考書やテキストのみで勉強していたならば、講義動画の視聴に切り替えると学習効率が上がります。
テキストを読む場合と比較すると、動画視聴は2倍の学習効果があるとされているため、単純に考えると勉強速度を倍速できます。
また、スマホを活用すると、場所に関係なく視聴できるため、移動時間などの机に向かっていない時間も勉強時間として活用可能です。
参考:平均学習定着率が向上する「ラーニングピラミッド」とは?
机での勉強時間が限られ、試験範囲の勉強を終える見込みが立たず困っているならば、勉強方法に講義動画を取り入れてみましょう。
解き方の型を覚える
日商簿記2級の問題が複雑に見えてしまっているならば、問題の解き方の型を1つに絞って覚えるのが効果的です。
2級の問題は回答までのステップ数に起因している場合が多く、ステップの進み方の不明瞭さが問題を複雑に感じさせてしまうためです。
解決方法は、参考書や講義動画で紹介される解き方から、真似できると思える解き方を選んで、何度も問題演習を繰り返すこと。
問題演習を繰り返すと、解き方の型を意識しなくても使用できるようになり、複雑に見えた解き方が1つに明快な解き方に変わります。
思うように解けないと独自の解法を求めたくなりますが、まずは1つの解法を選んで、自然に使えるまで習得度を高めましょう。
問題の演習量を重ねる
日商簿記2級を試験時間内に問題回答を終えるには、問題演習を繰り返して、回答速度を高めるのが有効です。
私も初めて試験予想問題を解いた際は、試験時間の30分以上も超過してしまいました。
この問題への解決策は、演習量を増やして問題のパターンへ慣れ、解き方を考える時間を短縮し、計算速度を向上させることに尽きます。
問題演習の反復は使用すべき解き方の記憶定着を高めて、問題を前にじっくり考える必要がなくなります。
問題を見たら自然に手が動き出すまで記憶に留められるよう、問題演習を重ねましょう。
日商簿記2級の攻略方法
日商簿記2級の合格を目指す上で、効率的に合格したいと考えているならば、抑えるべき攻略方法は3つあります。
- 満点を狙わない
- 問題演習をしながら内容理解を進める
- 試験問題の解く順番を変える
私も勉強当初は完璧を目指した勉強で四苦八苦していましたが、この方法を取り入れてからは焦らず取り組めるようになりました。
日商簿記2級の資格試験の特徴を踏まえて、効率よく勉強や準備を進めましょう。
満点を狙う必要はない
日商簿記2級の合格基準は70点以上の獲得であるため、満点を取るための勉強は必要ありません。
2級の試験は商業簿記60点・工業簿記40点で構成されており、工業簿記の問題はパターン化されているため対策を講じやすいです。
商業簿記の第1問は仕訳問題で、他問題と比べると単純な問題が多いため、第1・4・5問の合計60点で満点近くを狙うのが合格の近道です。
領域 | 設問 | 内容 | 配点 |
---|---|---|---|
商業簿記 60点 | 第1問 | 仕訳 | 20点 |
第2問 | 個別論点 (連結精算表など) | 20点 | |
第3問 | 決算関連 | 20点 | |
工業簿記 40点 | 第4問 | 仕訳 個別/総合原価計算など | 28点 |
第5問 | 直接/総合原価計算など | 12点 |
日商簿記2級は学習範囲が広いため、合格点から逆算して勉強に注力する領域や論点を明確にすると、効率的な合格に向けた勉強になります。
問題演習をしながら内容理解を進める
内容理解を効率的に進めるためには、ある程度インプットしたら、問題演習で理解状況を確かめるのを推奨します。
実際、読んだり見たりして分かったつもりでも、問題を解くと細かい内容まで理解が至っていないことが判明するケースが多々あるためです。
問題を解いて理解できていない箇所が明確になれば、インプット作業も問題意識を持って確認するようになるため、効果が高まります。
また、学習内容の理解を効率的に進める方法は問題を解くことである点は、科学的にも証明されています。
参考:Science「The Critical Importance of Retrieval for Learning」
テキストや講義視聴で完全な内容理解は目指さず、ある程度理解できたと思ったら、躊躇せず問題演習に取り掛かりましょう。
試験問題の解く順番を変える
日商簿記2級の試験問題は、得点しやすい設問から優先的に着手するのが効率的に合格する秘訣です。
前述のとおり、日商簿記2級は70点以上を獲得すれば合格であり、設問単位で独立しているため、順番に解く必要はありません。
そのため、得点しやすいと見込まれる設問1・4・5から取り掛かり、残りの時間で他の設問を解くのが推奨される試験問題の進め方です。
試験で緊張すると練習よりも回答時間を要する場合があるため、得点源から着手して確実に加点できる順番で進めましょう。
要点を掴んだ勉強で効率よく簿記2級合格へ
この記事では、日商簿記2級に受かる気がしないと思う原因や不安の解決方法とともに、日商簿記2級の攻略方法について解説しました。
- 簿記2級に受かる気がしないと思うのは、学習範囲が広さや問題の複雑さ、試験問題数の多さが原因
- 簿記2級に対する不安解消には、学習方法の見直しや解き方における型の記憶、問題演習の反復が効果的
- 簿記2級は満点を狙わず、インプットとアウトプットを何度も往復し、試験では難易度の低い設問の優先的に着手が重要
日商簿記2級は、3級の感覚をリセットして、要点を抑えた勉強や試験対策を取り入れれば、効率的に合格を目指せます。
簿記2級は3級と比較して、学習範囲は2倍程度に広がり、試験問題も複雑かつ増量するため、3級と同じ感覚では太刀打ちが困難です。
簿記3級の知識は不可欠ですが、学習や試験に向けた考えは2級向けに改め、着実に準備を重ねれば合格できる資格検定です。
簿記2級は、転職やキャリアアップの際にも役立つ資格検定とされていますし、将来の可能性を広げるためにもぜひ合格を掴み取りましょう。
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3級よりも勉強範囲が広いけど、勉強しきれるの?