会計関連の最高峰である「公認会計士」は、独占業務である「財務諸表監査」もあり、就職のしやすさなどからも人気の資格です。
しかし、そんな公認会計士について以下のような疑問をお持ちではないでしょうか。
公認会計士になるのはやめたほうがいいの?
公認会計士になったときのメリットは?
本記事では、「公認会計士はやめとけ」といわれる理由について解説します。
公認会計士資格を取得したときの利点も紹介しているので、これから資格取得のための学習に取り組む方は参考にしてください。
基本的には、公認会計士は就職率や収入の高さからもおすすめの資格です。
しかし、一方では難易度の高さをはじめ、やめておいた方が良い場合もあるので、公認会計士を目指すか迷っている方も要チェックです。
目次
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公認会計士になるのはやめとけと言われる理由
公認会計士になるのはやめとけと言われる理由は、主に以下の4点からです。
- 医師や弁護士と並ぶほど難易度が高く、合格率も低いから
- 合格までに必要な学習時間が長く、学生生活を楽しめないから
- 費用が高くつき、奨学金を借りる人が多いため
- 公認会計士は人手不足で残業時間も多いから
合格までに時間も費用もかかり、さらに難易度も相当に高いことが原因として挙げられます。
もちろん、その分見返りも大きい資格ではありますが、実際に学習に取り組む際はそれなりの覚悟が必要です。
「公認会計士になるのをやめとけ」と言われる理由を押さえてから、学習に取り組むのが良いでしょう。
医師や弁護士と並ぶほど難易度が高く、合格率も低いから
公認会計士になるのをやめとけといわれるのは、難易度の高さが原因のひとつです。
公認会計士試験は合格率が10%程度であり、試験範囲も膨大であることから、医者や弁護士と並ぶ難関資格となっています。
もちろん、簿記の経験者や普段から仕事で会計関連業務に携わっている方であれば、多少難易度は下がるものの、難関資格であることは変わりません。
こうした難易度の高さが、「公認会計士はやめとけ」といわれる理由となっています。
超難しい試験受けてなれる
— 響郷響子 (@e7bAcuXR8B36066) March 18, 2024
3大職業ってたしか
医師・弁護士・公認会計士
って近ごろ聞いたことがある。すぐ思いついたのが、眞野あずさはすべての役を演じてるなって…そして役柄もちゃんとキャラ変えてる…スゴイな…🌹
合格までに必要な学習時間が長く、学生生活を楽しめないから
公認会計士試験は難易度が高いことから、その分学習時間も長くなります。
一般的に初学者が公認会計士に合格するには2,000~5,000時間程度が必要とされています。
現在大学などに在学中の方が公認会計士資格取得を目指す場合、私生活の大半を学習に費やすことになるでしょう。
学生生活を周囲と同じように楽しみにくくなるのが、「公認会計士はやめとけ」といわれる理由のひとつです。
しかし、もちろん誰もが学生生活を楽しめなくなるわけではありません。
元々簿記など会計関連の知識がある方や、スキマ時間に効率よく学習を進められる方なら、学生生活と両立することは可能です。
ちょっと勉強で疲れたのでここで愚痴を言わせてくれ
— 桜隠し (@rounin_fin) January 8, 2020
大学生になって新しく何か資格の勉強をしようと思ってる人、公認会計士は絶対やめとけ
本気でこの職業になりたい人以外は簿記2級までの勉強に収めとくべきです
もっと他のトイックとか英語の資格勉強したほうが絶対有効的だから
費用が高くつき、奨学金を借りる人が多いため
公認会計士になるための予備校講座費用は高額なため、それが「やめとけ」といわれる原因ともなっています。
例えば、大手予備校である「CPA会計学院」「LEC」「大原」の3社で、2年間通学での講座を受けるためにかかる費用は、以下の通りです。
CPA会計学院 | TAC | 大原 |
---|---|---|
780,000円 | 770,000円 | 760,000円 |
おおよそ80万弱の講座費用がかかり、高額なため奨学金を利用して受講する方もいます。
通信講座や独学なら費用は抑えられますが、公認会計士試験合格者の多くは上記のような大手予備校出身者です。
そのため、手堅く合格を目指すなら予備校に通う方が可能性が高くなります。
もちろん、公認会計士になれば講座費用程度は奨学金の返済は難しくありませんが、合格を目指す強い意思が必要です。
やっぱり公認会計士試験の講座、受講料高いなぁ。大原でさえ70超えとか卒倒しそうになった。
— キタまる (@kitack_kitaku) December 7, 2021
公認会計士は人手不足で残業時間も多いから
公認会計士になり高い収入を得られたとしても、仕事は決して楽なものではありません。
「財務諸表監査」は公認会計士の独占業務のため、裏を返せば全て公認会計士が行わなければならないものです。
そのため、就職する監査法人などにもよりますが、一人あたりの業務量が多くなり激務となる場合があります。
特に決算時期などの繁忙期は残業が発生する可能性も高いので、高収入で楽な仕事がしたいという方には向かないでしょう。
残業時間は平均で35時間程度、繁忙期には100時間程度発生する場合もあるようです。
※参考:マイナビ会計士「公認会計士を辞めたい理由は?激務すぎる?よくある転職先は?」
ただし、こうした激務の度合いは就職先によっても大きく異なります。
どんな仕事でも多かれ少なかれ激務となる可能性はあるので、就職活動の際はぜひ就職先の状況をよく調べながら行いましょう。
監査法人辛すぎるよ😭😭
— 羽栗 (@jkgnvbgemmmmmu) May 6, 2022
公認会計士ブラックすぎる😭😭
それでも公認会計士が魅力的な理由
前述の「やめとけ」といわれる理由を踏まえても、公認会計士が魅力的な理由を解説します。
主に以下の4点です。
- とにかく高年収が期待できる
- 就活に苦労せず、楽勝で終わる
- 一生食える資格なので、人生の自由度が上がる
- 社会的地位があり、モテて結婚にも困らない
確かに公認会計士は資格取得から実際の業務に至るまで、「やめとけ」といわれる理由はあります。
しかし、その一方で見返りも大きく、資格取得の価値は十分にあるでしょう。
「やめとけ」といわれる理由とともに、公認会計士の利点を押さえたうえで総合的に判断してみてください。
とにかく高年収が期待できる
公認会計士は高収入な職業で、令和4年度の政府統計によれば、公認会計士の平均年収は790万円ほどです。
職種別のランキングとしては以下のようになります。
順位 | 職種 | 平均収入 |
---|---|---|
1 | 航空機操縦士 | 約1,600万円 |
2 | 医師 | 約1,400万円 |
3 | 大学教授(高専含む) | 約1,000万円 |
4 | 法務従事者 | 約970万円 |
5 | 歯科医師 | 約870万円 |
6 | 大学准教授(高専含む) | 約870万円 |
7 | 管理的職業従事者 | 約860万円 |
8 | その他の経営・金融・保険専門職業従事者 | 約850万円 |
9 | 公認会計士,税理士 | 約790万円 |
10 | 小・中学校教員 | 約790万円 |
※数値は事業規模10人以上の男女計
また、上記は全世代での平均値なので、より経験を積んでいけば年収1,000万円越えも珍しくありません。
高い収入を得られる資格を取得したい方には、公認会計士はおすすめです。
就活に苦労せず、楽勝で終わる
公認会計士資格を取得すれば、就職自体は難しくなくなります。
公認会計士は人手不足なので、就活に苦労することはないはず。
キャリアの幅も大きく広がり、監査法人以外にも以下のような場所での活躍が可能です。
- 企業の経理/CFO
- 内部監査
- 会計事務所・税理士法人
- 各種コンサルタント
- 投資銀行/PEファンド
もちろん独立開業も可能です。
また、公認会計士資格を取得すると、税理士にもなれます。
公認会計士となる資格を持っていると、税理士になるための税理士試験の全科目が免除されるためです。
ただし、税理士として登録するには一定の研修が必要なので、ただちに税理士として働けるわけではありません。
税理士資格では公認会計士の資格試験は免除されないので、公認会計士の方が上位資格といえます。
しかし、行う業務自体が違うので、一概には比較できない点は覚えておきましょう。
一生食える資格なので、人生の自由度が上がる
公認会計士資格は所得すれば就職が用意なので、人生における職業選択の幅は大きく広がります。
企業などの組織人として活躍するも良し、独立開業して自由に業務を行うのもOKです。
一生ものの資格なので、さまざまなキャリアパスが思い描けるようになるでしょう。
もちろん、財務・会計に関する法律は変わっていくので、資格を有効活用するためには情報のアップデートが必須となります。
公認会計士資格で仕事をする限りは一生勉強し続けることにはなりますが、資格取得の学習と比べれば些細な量です。
社会的地位があり、モテて結婚にも困らない
公認会計士資格は難関資格であり、高い収入が得られることから、一定の社会的ステータスともなります。
そのため、人にもよりますがモテやすくなるのではないでしょうか。
ただし、就職のしやすさもモテるかどうかも結局は自分次第です。
いくら資格があっても、あまりにも社会性が無いと就職は難しく、モテるということもありません。
とはいえ、公認会計士になれば一定の社会的地位は得られるので、自身のステータスを高めたい方にもおすすめです。
公認会計士になるのをやめといた方がいい人
公認会計士になるのをやめておいた方がいい人を解説します。
主に以下のような方には公認会計士の資格取得は向きません。
- 生活の大部分を勉強に捧げるのが難しい人
- 会計や簿記の仕事自体に興味が持てない
上記に当てはまる方が、必ずしも公認会計士になれないということはありませんが、大きなストレスを感じる可能性があるので参考にしてください。
生活の大部分を勉強に捧げるのが難しい人
生活の大部分を勉強に捧げるのが難しい人、勉強すること自体が嫌いな方には向きません。
前述の通り、公認会計士の資格取得には5,000時間もの学習時間を必要とするため、生活の大半を勉強に捧げることになります。
合格者の多くは学生時代を費やした大学生や、無職の方です。
ある程度まとまった学習時間を確保できないと、公認会計士資格の取得は難しいと考えましょう。
もちろん、社会人で働きながら資格取得をする方も中にはいます。
その場合は予備校や通信講座などで、学習効率を上げる必要がある点は押さえておきましょう。
会計や簿記の仕事自体に興味が持てない
会計や簿記の仕事自体に興味が持てない方は、公認会計士の勉強はやめておいた方が無難です。
資格取得後に監査法人などに就職すれば、当然会計関連の業務を行うため、基本的には日々数字と向き合うことになります。
一定のルールに基づいて業務に従事するので、ルーチンワークの側面も大きいのが特徴です。
数字が苦手な方や、逆にあまりにも神経質な方はストレスが大きいので、資格取得すべきかはよく検討した方が良いでしょう。
公認会計士受験に関するよくある疑問
公認会計士ではなく、税理士のほうがハードルは低い?
公認会計士と税理士では、公認会計士の方がハードルは高めです。
公認会計士の合格率が10%前後なのに対し、税理士は20%ほどです。
どちらも難関資格ではありますが、公認会計士の方がより難しいと考えましょう。
ただし、公認会計士と税理士では行う業務に違いがあります。
税理士の独占業務は「税務業務」であり、主に税金の申告書類作成やアドバイスなどです。
また、顧客にも少し違いがあります。
公認会計士による「財務諸表監査」は、上場企業や大企業に義務付けられていますが、中小企業や個人商店は対象外です。
一方で、納税のための書類作成は中小企業であろうと個人であろうと義務づけられています。
そのため、公認会計士の顧客は大企業や上場企業が中心で、税理士は納税義務が発生する方全てです。
単純な顧客の数だけで比較すると税理士の方が多いので、合格率を鑑みて税理士を選択する方もいます。
公認会計士は税理士にもなれるので、どのような働き方をしたいかで選択するのが良いでしょう。
公認会計士は食えないって本当?
公認会計士が食えないというのは、現状では考えにくいでしょう。
確かにAIの出現などにより、自動化・効率化されていく可能性もあります。
中には公認会計士が食えなくなるという不安を抱いている方もいるかもしれません。
しかし、現状AIが公認会計士業務の全てを行うのは現実的ではないでしょう。
また、毎年資格試験の合格者がいるにもかかわらず、昨今では公認会計士の人手不足が叫ばれています。
参考:日本経済新聞「深刻化する会計士不足」
少なくとも、ただちに公認会計士が食えなくなるとは考えなくても大丈夫でしょう。
公認会計士はやめとけと言っている人はどんな人か考えよう
ネットで検索すると「公認会計士 やめとけ」といったワードが出てくるのは何故なのでしょうか。
理由としては以下が考えられます。
- 業務が激務
- なるまでの費用と時間が厳しい
- 試験に落ちた人のやっかみ
しかし、いずれも実際のところはその人の置かれた状況などによっても変わってくるので注意が必要です。
重要なのは、メリットとデメリットをどちらも押さえて判断することです。
正しい情報が何か、予備校などでしっかり予備校などで情報収集しましょう。
公認会計士は難易度が高いが魅力も多いのでよく検討しよう
本記事では、「公認会計士になるのはやめとけ」といわれる理由について解説しました。
確かに公認会計士試験は難易度が高く、取得までには費用も時間もかかります。
しかし、その分見返りも大きく収入や一定の社会的地位も得られ、就職も格段にしやすくなるでしょう。
公認会計士の資格取得を迷っている方は、本記事の内容を参考に検討してみてください。
手堅く合格を目指すなら予備校の利用がおすすめです。
詳しくは下記記事にて予備校を比較しています。
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公認会計士で検索すると『やめとけ』と出てくるので不安