「向こう1年」ってなんとなく意味はわかるけど、ちゃんと確認しておきたい
簿記の保険料の仕訳で「向こう1年」が出てきたら、どう解くの?
こういった疑問にこたえます。
簿記の模擬試験や教材の例題を見ていると、たまに「向こう1年」という単語が出てきます。
よく考えてみると、「向こう1年」って普段の生活では使わない言葉ですよね。
あらためて、「向こう1年」の意味と、簿記試験で出てきた際の仕訳の方法について解説します。
なお、初めて簿記を勉強すると、このような馴染みのない単語が頻出します。
ひとつひとつの単語の意味でつまずいていると、簿記3級合格まで1年近くかかってしまうことも・・。
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向こう1年とは「その日から1年後までの間」という意味
結論からいうと、向こう1年とは「その日から1年後までの間」という意味です。
たとえば、「2023年10月1日から向こう1年」と書かれていたら、「2023年10月1日から2024年9月30日までの1年間」のことを指しています。
国語辞典で改めて意味を調べてみると、下記のように書かれています。
【向こう】 の解説
今後。これから先。「―三日間」
向こう(むこう)の意味・使い方をわかりやすく解説 – goo国語辞書
「向こう」というのは、普段の日常会話でも使うとおり、目線の先を指す言葉です。
なので、「向こう○日」や「向こう○年」と日数や年数がついたら、「今この時点からその期間が過ぎた先の未来まで」のことを指しています。
少々小難しくなってきましたが、難しく考える必要はありません。
結論として、向こう1年は、今この時点から1年後までの期間を指しています。
なお、言い換えると、「これからの1年」などの言い方になるでしょう。
簿記試験における「向こう1年」の使われ方
「向こう1年」という言葉は、日常生活ではあまり使いません。
多く使われるのが、簿記検定試験の問題文です。
とくに前払いの費用が発生する処理に関する話でよく出てきます。
というのも、企業の経理では、家賃や保険料、SaaSツールなどの1年分の料金を前払いで支払うことが多くあるためです。
その際に、企業の会計年度をまたいでしまうことが多くあり、次年度分の費用を前払いした際の処理が簿記検定でよく問題に出るのです。
考え方としては、今年度分にあたる費用はそのまま処理ができますが、次年度分の費用は資産として計上し直す必要があります。
来年度サービスを受けられる権利を前払いして購入しており、それは今年度における「資産」といえる
簿記の保険料の仕訳の問題で「向こう1年」が出てきたら・・
ここでは、簿記試験で出てくるような文章で、どう仕訳処理をすれば良いのか考えてみましょう。
5月1日に、向こう1年分の支払い保険料36,000円を前払いした。なお、決算月は9月とする。
この場合、5月1日から9月31日までの5ヶ月分の保険料は、今期の費用としてそのまま処理できます。
一方で、10月1日から来年の4月30日までの7ヶ月分の保険料は、来期の費用として処理するために仕訳をする必要が出てきます。
向こう1年の保険料は36,000円のため、1ヶ月分になおすと3,000円です。
整理すると、今期の費用となる5ヶ月分は15,000円。
来期の費用となる7ヶ月分は21,000円になります。
保険料を支払った際に36,000円分を支払い保険料として計上しているはずですが、そのうち21,000円分だけ「前払費用」という勘定科目をつかって、資産に移し替えます。
具体的には下記の通りです。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
前払費用 | 21,000 | 支払保険料 | 21,000 |
これは、前払いしたものが、保険料だろうが、家賃だろうが、経費精算ツールだろうが考え方は同じです。
向こう1年の意味まとめ
まとめると、「向こう1年」というのは現在から1年後までの期間を指します。
簿記では、保険料などの前払い費用の仕訳の問題でよく出てくる単語です。
意味をしっかりとおさえておきましょう。
なお、初めて簿記を勉強すると、このような馴染みのない単語が頻出します。
単語でいちいちつまずいてしまうなら、時間をかけてテキストを読むよりも、通信講座などで授業を受けながら独学するほうが効率的です。
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簿記の問題で「向こう1年」って単語が出てくるけど、どんな意味だっけ?