経理は簿記の資格を持っていないとダメ?資格が無いと見逃しがちなポイントも解説

経理の仕事というと、簿記の資格が無いと就けないのでは?と思う人も多いようです。

実際に経理のお仕事は他の職種に比べて数字を取り扱う業務が多いですし、何か特別な計算ができる人がおこなっているようにも見えます。

けれども、実際のところはそうではありません。

例えば新卒の大学生が就職試験を終えて企業に就職することになった場合、簿記の資格が何も無くても経理部に配属されることは良くあります。

実際に、私が働いていた会社の同僚は、簿記や経理に関する資格が無くても仕事をスムーズに回していました。

私自身も経理の部署に配属された当時は、簿記に関する資格は何も保有していませんでした。

ですが、入社して数年経った頃に簿記の資格を取得し、日々の業務をこなしていると今まで見ていた世界が一変しました。

具体的には、社内外の人との共通言語が増えコミュニケーションがスムーズになったり、経理上のミスや間違いに気付きやすくなったり。

他にも、プライベートで日々の家計管理の仕方に応用ができたり、ニュースや新聞の内容も深く理解できたりと、良いこと尽くめでした。

今回はそんな簿記に関する資格について、保有の有無でどんなメリット・デメリットがあるのかを詳しく内容をお伝えします。

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経理職でも簿記の資格が無くて大丈夫な理由

経理職でも簿記の資格が無くて大丈夫な理由

冒頭で経理職で働く際には、特に資格が無くても大丈夫ということを簡単にお伝えしました。

ここでは、その理由について4つほど挙げてみましたので詳しく見ていきます。

  • 資格よりも実務経験の方が重要
  • 会計ソフトを使用しての業務が一般的
  • 大きな会社ではチームで情報を共有できる
  • 雑用や単純な作業も業務の一部になっている

それぞれの理由について1つずつ見ていきましょう。

資格よりも実務経験の方が重要

1つめの理由は、資格よりも実務経験の方が会社では重宝される傾向にあるということです。

というのも、どんなに凄い資格を保有していても、それを実践で活かすことができなければ宝の持ち腐れ。

会社の仕事というのは、当然個々の組織や部署ごとにやり方が微妙に違います。

パソコンのスペックやソフトの種類などもそうですが、その会社独自のやり方や承認の取り方、仕事のまわし方など、過去の前例を踏襲することも多いです。

そのため、簿記資格保有の云々よりも、どうやって実務を回していくかの方に重きが置かれるため、他社での経験や一般的なやり方が通用しないことも多いでしょう。

会計ソフトを使用しての業務が一般的

2つめの理由は、会計ソフトを使用しての業務が一般的であるため、資格を特に保有していなくても仕事ができてしまうという点です。

たとえば、簿記資格を保有していない人が「仕訳」と呼ばれる作業をおこなう場面を想定してみましょう。

通常、「仕訳」をおこなうためには、勘定科目を覚えたり、仕訳のルールを覚えたりしないと正しく処理ができません。

ですが、会計ソフトを利用し事前に設定さえしておけば細かい勘定科目を覚える必要はありません。

また、仕訳のルールをそこまで正確に覚えていなくても、モニタ上で所定の場所に数字を入力さえすれば、計算自体はコンピュータが自動的に処理してくれます。

他にも、パソコン上でエラーが出れば数値入力が間違っているというのも一目瞭然。

資格が無くても、ある程度パソコン操作に慣れていれば、すぐに会計ソフトの使い方も覚えてしまうでしょう。

大きな会社ではチームで情報を共有できる

3つ目の理由として、ある程度大きな会社ではチームで情報を共有できるため、社内の詳しい人に聞けば個々のスキルが不充分でも業務を遂行できるという点です。

たとえば、経理業務の中でどこか分からない所があると、普通はその場で行き詰まってしまいます。

ですが、チームで働いている場合、他のメンバーや上司にやり方をその場ですぐに聞くことも可能。

前任者が他部署にいれば、内線やチャット等で連絡を取り合うのも良いでしょう。

チームで動いている部署や会社も多いので、よほど少数精鋭の会社でない限り、近くにいる人に聞けばすぐに問題も解決できるでしょう。

雑用や単純な作業も業務の一部になっている

4つ目の理由として、雑用や単純な作業も経理業務の一部になっているという点です。

経理の仕事と言っても、出勤してから退勤するまで、丸一日経理の仕事だけをしているという会社は少ないのではないでしょうか。

来客用の応接室のセッティングをしたり、在庫の整理をしたり、外部からの問い合わせの電話やメールの対応をしたり。

経理の業務以外にも、これら小さな雑用や単純な作業も、勤務時間の中に割り当てられている会社も多いでしょう。

そのため、簿記の資格が無くても、ある程度仕事のスキルがあって、日々の業務をスムーズにまわしていける人材の方を企業側が求めている可能性もあります。

簿記の資格を持っていないことで考えられるデメリット

簿記の資格を持っていないことで考えられるデメリット

ここまで経理職で働くうえで、簿記の資格が無くても特に仕事には支障が無いということを述べてきました。

ですが、ここからは簿記の資格を持っていないことで考えられる4つのデメリットについて記していきます。

  • 専門性が磨けない
  • 経理上のミスに気付きづらい
  • 会社内部・外部の人との話が嚙み合わないことも
  • キャリアップ・キャリアチェンジの妨げ

それでは、デメリットについても1つずつ詳しく見ていきましょう。

専門性が磨けない

1つ目のデメリットは、専門性が磨けないということです。

具体的には、過去の前例を踏襲しているだけだったり、いつも誰かのアドバイスを貰いながら業務を進めていたりすると、なかなか専門性が身に付きません。

というのも、なぜ今この作業をおこなっているのかを本当に理解できていない場合が、往々にしてあるからです。

仕事自体は進められるかもしれませんが、いつもその場しのぎの対応では真に自分の中に落とし込めないため、スキルも上がっていきません。

もし資格があれば、なぜ今この業務・作業をおこなっているのかを瞬時に自分で判断できるようになるでしょう。

経理上のミスに気付きづらい

2つ目のデメリットは、経理上のミスに気付きづらいという点です。

業務の際、会社のシステムやパソコンの経理ソフトの所定の場所に数値を入力できれば、通常は自動的に処理してくれます。

会計のルールや規則が大幅に変わることは滅多にないため、経理の仕事自体は毎年同じ作業を繰り返す部分も多いでしょう。

そのため、全面的に自社のシステムや会計ソフトの機能を信用しすぎてしまうと、思わぬミスを招いてしまうことも稀にあります。

たとえば、自分や前任者の入力間違い、システムエラー、ソフトウェアのバグなど。

簿記の資格を保有していれば、パッと見ただけで、「この仕訳はおかしい」、「勘定科目の設定が間違っている」など、すぐに気付くポイントもあるでしょう。

会社内部・外部の人との話が嚙み合わないことも

3つ目のデメリットは、会社内部・外部の人との話が噛み合わないことがあるという点です。

簿記の資格を保有していると、会計用語や仕訳のルール、損益計算書や貸借対照表の見方などについて深く理解できます

ですが、資格を保有していないとそれらの専門用語がビジネスシーンで使用されたときに、困惑してしまうでしょう。

上司から指示を的確に理解できず意図とは違う成果物を提出してしまったり、会社外部の人との取引できちんと数字を読めず、不利な条件で契約を交わしてしまったり。

最悪の場合、自分一人の失敗では済まされず、会社全体の損失を被ってしまうこともあるでしょう。

キャリアアップ・キャリアチェンジの妨げ

4つ目のデメリットは、キャリアアップ・キャリアチェンジの妨げになるという点です。

簿記の資格が無くても仕事自体は進められますが、何年も経理の仕事をしているにも関わらず、簿記の資格を何も持っていないと昇給や昇進に影響があるかも知れません。

簿記の内容は、会社を経営していくうえで必須の知識です。

自社では資格が無くても大丈夫かも知れませんが、外部の人からみると簿記の知識が無い人と大きな取引をするのは少し不安を感じてしまうかも知れません。

また、昇給や昇進に簿記資格保有を条件としている会社にいた場合、昇給や昇進が遅れたり、経理以外の他部署に配属されたりしてしまう可能性もあります。

転職をしてスキルアップを図る際にも、簿記資格を保有している人と保有していない人とでは、前者の方が採用される可能性も高まるでしょう。

経理の仕事をするなら、簿記の資格は持っていた方がメリットが大きい

経理の仕事をするなら、簿記の資格は持っていた方がメリットが大きい

ここからは、経理の仕事をする上で、簿記の資格を持っているメリットをお伝えしていきます。

メリットはデメリットの裏返しとなり、以下の4つ。

  • 専門性が磨ける
  • 経理上のミスにすぐに気付ける
  • 会社内部・外部の人との話が円滑になる
  • キャリアップ・キャリアチェンジがしやすくなる

いかがでしょう?ほんの少し資格取得のための努力をするだけで、これだけ多くのメリットが享受できるのです。

受験料も他の資格試験と比較すると割安なので、一度受験してみる価値はあるでしょう。

ちなみに、簿記2級が4,720円(税込)、簿記3級が2,850円(税込)となっています。

参考:日商簿記検定試験(2級・3級)ネット試験について | 商工会議所の検定試験 (kentei.ne.jp)

他の資格に比べ、簿記の資格はコストパフォーマンスもとても優れています。

簿記資格の保有を目指すなら、まずは簿記3級がおすすめ

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簿記の資格は、簿記3級から簿記1級までどの級から受験することも可能です。

ですが、まずは簿記3級から取得することをおすすめします。

というのも、簿記2級や簿記1級の資格は、簿記3級の内容を全て理解しているのを前提に問題がつくられています。

そのため、簿記3級の知識があやふやだと、簿記2級以上の資格取得はかなり難しいものとなるでしょう。

また、簿記2級以上の資格は簿記3級に比べて試験範囲が膨大になるため、かなり多くの勉強時間を確保しなければなりません。

働きながら簿記資格を保有しようとすると、時間・体力・精神的な負担も大きくなってしまいます。

簿記資格の保有を目指すなら、まずは簿記3級の資格取得を目指し、しっかりと対策を立てていきましょう。

簿記3級程度の知識があれば、将来の可能性が広がりますし、基本的な経理業務で支障が出ることはほぼ無くなるでしょう。

経理は簿記の資格が無くてもOKだけど、資格があれば可能性は無限大!

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一般的には、簿記の資格が無くても経理の実務をおこなうには問題の無い会社が多いです。(転職など、採用の時点で高度に専門的な経理スキルが求められる場合は別ですが)

ですが、簿記資格を保有していれば、昇給や昇進に有利に働いたり、上司や同僚から一目置かれたりと、良いこと尽くめです。

他の資格試験に比べて、簿記の資格ほど費用対効果にすぐれた資格はありません。

簿記や会計独特のルール、癖に慣れていない全くの初学者だと、最初は少し苦戦をするかも知れません。

ですが、もし今経理の仕事に就いているということであれば、試験範囲のほとんどが日々の業務と直結しているため、学習も進めやすいでしょう。

また、簿記の資格は同じ数字を扱う数学等の試験と違って、そこまで複雑な計算問題が出題されるわけではありません。

たとえば、簿記3級の資格取得を目指すのであれば、基本的には小学校までに習う四則演算程度ができれば問題ありません。

ぜひ簿記資格を取得して、将来の可能性を広げていきましょう。

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株式会社エキセント編集担当
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