税理士の年収の現実を解説!リアルな年収や高年収になる方法も紹介

一般的に高年収なイメージがある税理士ですが、現実はどうなのか気になっていませんか?

税理士資格を取得すれば、引く手数多で就職先には困らず、一生食いっぱぐれることが無いと考えている方も多いはず。

しかし、税理士の年収について以下のような疑問をお持ちではないでしょうか。

税理士の平均年収が知りたい

税理士の年収に男女の差はある?

税理士の年収は低い、生活できないというのは本当?

本記事では、税理士のリアルな平均年収を調査して解説します。

結論からいえば、税理士の年収は決して低いとはいえませんが、働き方や年齢によって幅があります。

税理士の資格取得を目指している方にとっては押さえておきたいポイントなので、ぜひ参考にしてみてください。

また、下記記事では、税理士になれる通信講座の料金や内容を比較しています。

税理士の通信講座・予備校おすすめ9選!比較方法や料金相場も解説

税理士のリアルな年収は低い?高い?

税理士のリアルな年収は低い?高い?

日本税理士連合会が調査した、約3万人の税理士へのアンケート結果によると、日本国内における税理士の平均年収は約740万円です。

引用:日本税理士会連合会「第6回税理士実態調査報告書」

国税庁調査によると、日本国内における給与所得者の平均年収は458万円です。

引用:国税庁「令和4年民間給与実態統計調査結果」

そのため、日本人の平均年収よりはかなり高年収となっています。

ただし、税理士と一括りにしていますが、働き方によって内容はさまざまです。

たとえば、自身で事務所を構える開業税理士と、税理士法人や会計事務所などに勤務する雇われ税理士では年収も大きく異なります。

経験の浅い雇われ税理士であれば、年収400万円前後からスタートすることも珍しくありません。

逆に、開業税理士で事業が軌道に乗っていれば3,000万円以上の高年収に届くこともあります。

もちろん、開業すれば必ずしも年収が高くなるとは限らないため、人によって大きく差が出る部分です。

基本的には、雇われ税理士であっても全産業における平均年収よりは高額をもらえる可能性が高いでしょう。

Yahoo!知恵袋やSNSでわかる税理士の年収例

実際に、Yahoo!知恵袋やSNSでわかる税理士の年収例を紹介します。

私の周りの士業の推測年収 最新版

・弁護士  1000万〜2500万

・税理士  1200万〜2500万

・司法書士 600万〜1500万

・社労士  600万〜1200万

・行政書士 400万〜2000万

・調査士  800万〜1200万

以上となります、皆さんの肌感覚はいかがでしょうか?

引用元:X

税理士だと年収1,000万円以上も珍しくはないようです。

ブルーバッジが付いたので、改めて自己紹介。

年齢:40
住所:関西
属性:会社員、SFC
資格:税理士
年収:2,000万と少し
資産:2,500万ほど
家族:妻(専業)、長男(6歳)、次男(0歳)、猫(9歳)
趣味:海外旅行(主にリゾート地)
投資:毎月50万をsp500に全ツッパ
愛車:ランドクルーザー300
カード:マリオットボンヴォイ
目標:50歳までに1.5億円貯めてFIRE

投資は毎月50万まで、と決めてます。
これ以上は増やしません、減らしません、取り崩しません。
毎月余ったお金は海外旅行や外食に充てます。

投稿は投資、税金お得情報、旅行、猫、車等。

みんなと繋がりたいです。
よろしくお願いします!

引用元:X

こちらは開業されているわけではないようですが、年収2,000万円と高額です。

また、Yahoo!知恵袋で税理士の年収についての回答は以下のようになっています。

年収は組織規模と収益性によります。

時間と労力に釣り合うか、ですが個人的には社会人の無趣味で何もせず酒飲んだりゲームしたり散財するはずだった生産性のない時間を限界まで使っただけなので、その天秤の時間労力側はゼロみたいなもんです。

もともと何も残らないはずだった時間ですので、何か残っただけで儲けものです。

貴重な青春時代に他のやりたいことを諦めて〜とかならまた考えも変わるかもしれませんけど。

引用元:Yahoo!知恵袋

年収は結局のところ就職先によるといったところです。

BIG4とかなら、パートナーになれば年収1000万は勤続10年くらいで行くでしょうし、中堅~大手の税理士法人なら1000万~2000万というのもザラみたいです。

小規模の税理士事務所とかなら500万以下とかもいるようですけど、総じて普通のサラリーマンよりはちょっとはマシというところあたりじゃないでしょうか。

ただ、雇われ税理士をされている方自身は「これだけ努力しても、普通のサラリーマンとたいして変わらない給料なんだよな」と思われている方が多いようで、よくそういう愚痴を聞かされたりもするのですが、そんなの、新規のお客様をつまえてきたら、給料なんてすぐ上がるのちゃうの、と思ってしまいます。

雇われといっても、給料は事務所が儲かるかどうか次第なので、そういう意味では歩合制のようなところもあるのかもしれないですね。

引用元:Yahoo!知恵袋

大手の税理士事務所であれば、雇われでも年収1,000万円は超えるようです。

いきなり大手は難しい場合でも、経験を積んでキャリアアップを目指せます。

口コミ・評判を見ていても、税理士として勤務するのであれば年収1,000万円は十分に目指せる範囲です。

ただし、科目合格者として資格取得前に税理士法人で働くといった場合は、一般的な会社員と給与面ではあまり変わらない点は押さえておきましょう。

あくまでも、税理士として働く場合のみ高年収がもらえるということです。

【年齢別】税理士の平均年収

【年齢別】税理士の平均年収

税理士の平均年収について、年齢別に紹介します。

  • 20代税理士の平均年収
  • 30代税理士の平均年収
  • 40代税理士の平均年収
  • 50代税理士の平均年収
  • 60代以降の税理士の平均年収

税理士の業務は資格を取得していることは大前提ですが、他の会計・経理関連の業務と同様に過去の経験も年収に影響を与えます。

即戦力が求められる仕事でもあるため、過去に実績や経験が豊富なほど、人材としての価値がアップします。

逆にいえば、経験をしっかりとアピールできれば、年齢が高くとも転職の際にさほど問題にはなりません。

いきなり高年収を狙うのが難しそうという方は、とにかく経験を積んで次のキャリアに移れるよう転職を考えてみてはいかがでしょうか。

20代税理士の平均年収

20代税理士の平均年収は、約520万円です。

参考元:e-Stat「賃金構造基本統計調査」

税理士の年収と考えると低く見えてしまいますが、20代で税理士資格を取得できる方は少ないため、一般的な20代の会社員と比べると高年収です。

経験がものをいう業界でもあるため、20代のうちにしっかりとキャリアを積んでいくと良いでしょう。

30代税理士の平均年収

30代税理士の平均年収は、約670万円です。

参考元:e-Stat「賃金構造基本統計調査」

20代から考えるとそれなりに年収アップしていますが、まだ一般的な会社員と比べても大きな差はありません。

ある程度経験を積んだ30代後半あたりから年収が伸びていくイメージです。

40代税理士の平均年収

40代税理士の平均年収は約810万円です。

参考元:e-Stat「賃金構造基本統計調査」

40代となると開業する方も増えており、雇われ税理士だとしても組織で部下を管理する立場になっている方も多いでしょう。

人によって年収に大きく差が出てくる頃で、役職や開業した税理士の方であれば年収1,000万円を超える方も多く出てきます。

ただし、40代は税理士としてはまだまだ若手です。

その後のキャリアパスも考えて業務に取り組みましょう。

50代税理士の平均年収

50代税理士の平均年収は約970万円です。

参考元:e-Stat「賃金構造基本統計調査」

独立開業している場合は、人によって年収が大きく異なるため、あくまで参考値となります。

税理士としては顧問契約なども増え、安定して高年収が期待できる年代です。

年収2,000万超えのケースも多いので、自身のライフスタイルやキャリアパスに合わせた働き方を選択しましょう。

60代以降の税理士の平均年収

60代以降の税理士の平均年収は、約620万円です。

参考元:e-Stat「賃金構造基本統計調査」

現役でバリバリ仕事をする方もいれば、シニアスタッフとして徐々に抑えていく方も増えます。

働き方がより多様化する年代なので、自身に合った働き方や勤務形態を選ぶのがおすすめです。

【働き方別】税理士の平均年収

【働き方別】税理士の平均年収

税理士は年齢や経験だけでなく、「どこで働くか」という働き方の部分も重要です。

以下の働き方に分けて平均年収を解説します。

  • BIG4に勤める税理士の平均年収
  • 雇われ税理士の平均年収
  • 独立開業した税理士の平均年収

大手事務所の方が給料が良い傾向にあるのは、一般的な会社員と同様です。

また、独立開業した場合は一般的な企業に例えれば社長になるようなものなので、雇われる場合よりも高年収が期待できます。

その分自身での経営スキルや営業スキルが問われるので、自身に合わせた働き方でキャリアを積むのが良いでしょう。

BIG4に勤める税理士の平均年収

大手税理士法人である「BIG4」は、職位ごとに給与の目安があり、以下のようになっています。

職位年収
シニアパートナー2,000万円~
パートナー1,200万~2,000万円
シニアマネージャー1,200万~1,500万円
マネージャー900万~1,200万円
シニアスタッフ600万~1,000万円
スタッフ400万~600万円

また、BIG4それぞれの初任給の目安は以下の通りです。

BIG4初任給年収
EY税理士法人450万~600万円程度
KPMG税理士法人480万~600万円程度
デロイト トーマツ税理士法人500万~600万円程度
PwC税理士法人500万~600万円程度
 参考元:MsAgent「Big4税理士法人の年収は本当に高い?その後のキャリアなど」

最大で2,000万円以上の年収も狙えるので、税理士法人で高年収を目指す方はBIG4への就職・転職を目指してみてはいかがでしょうか。

雇われ税理士の平均年収

厚生労働省の調査によれば、雇われ税理士・公認会計士の平均年収は以下のようになっています。

年数平均年収
0年約403万円
1〜4年約531万円
5〜9年約670万円
10〜14年約844万円
15年以上約848万円
参考元:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」

雇われ税理士であっても、経験が長くなれば、その分高年収が期待できるでしょう。

独立開業した税理士の平均年収

一方で、独立開業した税理士の平均年収は以下の通りです。

年収構成比
300万円以下31.40%
301万円〜500万円16.70%
501万円〜700万円12.00%
701万円〜1,000万円13.50%
1,001万円〜1,500万円11.00%
1,501万円〜2,000万円5.00%
2,001万円〜3,000万円3.40%
3,001万円〜5,000万円1.50%
5,000万円~0.50%
参考元:第6回税理士実態調査報告書

開業税理士は経営者としての能力も問われるため、年収も人によって大きく変わってきます。

当然その分ハードワークとなる場合もあるため、向き不向きもあるでしょう。

とにかく高年収を目指したいという方は、リスクも押さえたうえで開業を目指してみてください。

男性・女性税理士の平均年収

男性・女性税理士の平均年収

男性税理士と女性税理士の平均年収には差があるのでしょうか。

厚生労働省の令和5年賃金構造基本統計調査によると、男性と女性税理士それぞれの平均年収は以下の通りです。

  • 男性:7,382,600円
  • 女性:5,556,000円
参考元:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」

男性の方が平均年収が高いという結果になっています。

これは、女性の場合時短勤務で働く方の割合が多いことや、役職の有無などが原因として考えられます。

あくまでも平均値なので、開業税理士など働き方が同じであれば男女同程度の高年収が目指せるでしょう。

税理士は独立しても食えない・生活できないと言われることがある理由

税理士は独立しても食えない・生活できないと言われることがある理由

近年では、「税理士になっても食えない・生活できない」などといわれることがあります。

理由は以下の通りです。

  • 税理士が増えて競争が激化
  • 会計ソフトなどITツールの発達で税務に関する業務が削減
  • 他の士業と業務の取り合い
  • 経営能力が乏しく開業してもうまく経営できない

税理士は難関資格ではありますが、毎年合格者はいるため数は増えていきます。

公認会計士など他の士業とも業務を取り合うため、競争が激化している点が理由として挙げられます。

また、会計ソフトが高機能化し、税理士に依頼しなくても一部業務を自社で行える企業が増えている点も原因のひとつです。

さらに、開業税理士の場合は経営能力が必要なので、税理士の資格を取得したからといって必ずしも上手くいくわけではありません。

紹介など特定の顧客だけを相手にしていても業務拡大が見込めないため、ある程度の営業活動も必要です。

しかし、それでも税理士は合格率20%前後の難関資格です。

雇われ税理士でも全産業における平均年収よりは高年収が期待できるので、持っていて困る資格ではありません。

そのため、「食えない・生活できない」とまではいえないでしょう。

高年収の税理士になるには?

高年収の税理士になるには?

高年収の税理士になるにはどうすればいいのか、主な方法は以下の3点です。

  • BIG4などの大手の税理士法人に入社する
  • 他のスキルを掛け合わせて希少性の高い税理士になる
  • 税理士事務所を開業する

いくら税理士といえども、何の経験も無い若手の状態からいきなり高年収を獲得するのは難しいでしょう。

自身の将来的なキャリアパスを考え、それに沿った環境や経験を積んでいくことが重要です。

税理士としての年収アップに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

BIG4などの大手の税理士法人に入社する

大手税理士法人に就職できれば、その分年収アップが期待できます。

必ずしも中小の税理士法人だから給与が少ないとはいえませんが、大手はその分多くの顧客を抱えており、仕事が多いのが特徴です。

ハードワークになる可能性はあるものの、高年収を目指す方はBIG4をはじめとする大手への就職を目指してみてください。

他のスキルを掛け合わせて希少性の高い税理士になる

税理士資格と他のスキルや得意分野を合わせて、希少性の高い税理士を目指すのもおすすめです。

例えば以下のようなスキルを検討してみましょう。

  • 英語や中国語ができる税理士
  • IT分野に強い税理士
  • 仮想通貨に強い税理士
  • 遺産相続に特化した税理士

他では代わりの効かない人材になることが、年収アップのコツです。

税理士事務所を開業する

開業税理士になれば、年収は青天井に伸ばせるでしょう。

ただし、その分経営や営業活動など、全ての責任を自身で負うことになります。

また、年収をどこまでも伸ばそうと思うなら、その分だけ人を雇って多くの業務を抱えなければなりません。

経営能力やマネジメント能力など、税理士法人をスムーズに運営するためのさまざまなスキルが必要です。

顧客は放っておいても集まってくるわけではないため、集客や紹介など、顧客を獲得する努力も重要となります。

税理士の平均年収は低いとはいえないが年齢や働き方で大きく異なる

税理士の平均年収は低いとはいえないが年齢や働き方で大きく異なる

本記事では、税理士の平均年収について解説しました。

税理士の平均年収は約740万円と、一般的な会社員と比べると高年収です。

ただし、実態は年齢や働き方によって大きく異なります。

税理士法人に雇われて勤務する場合は、上記の平均年収からそう大きく外れることはないでしょう。

自身で独立開業する場合は、事業が軌道に乗れば年収2,000万越えも十分期待できます。

もちろん、経営能力なども重要なので、開業すれば全員が高年収になれるわけではありません。

そのため、税理士として年収アップしたい場合は、大手税理士法人に勤務するのもおすすめです。

重要なのは、自身のキャリアパスに合った働き方を選択することです。

税理士資格の取得を検討中で、年収に不安を抱えているかたは、ぜひ本記事を参考にしてみてはいかがでしょうか。

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