薬剤師×簿記の組み合わせはメリット最強!実務との意外な結びつきも

薬剤師×簿記の組み合わせはメリット最強!実務との意外な結びつきも

薬剤師の仕事と言えば、調剤薬局や製薬会社、病院で働きながら服薬指導、薬歴管理などをおこなう仕事がメイン。

薬剤に関する専門的な知識を持っているため、就職や転職にも有利というイメージを持っている人も多いでしょう。

薬剤師の資格があるだけでもかなり有利であることは間違いないのですが、それにプラスして簿記の知識を持っていると、さらに貴重な人材になれます。

というのも、2年に1度おこなわれる調剤報酬改定や毎年度薬価改定の影響もあり、薬剤師にも会計の知識が求められているからです。

そこで、今回は薬剤師×簿記のダブルライセンスを取得することでどんなメリットが得られるのかを解説。

簿記資格を取得して、どんな企業からも求められる人材を目指していきましょう!

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簿記を勉強すると、どんな知識が得られるのか

簿記を勉強すると、どんな知識が得られるのか

簿記を勉強すると数字に強くなるだけでなく、企業の経営状態や経営成績を汲み取る力がつきます。

その結果、薬剤師として自身が就職・転職しようとしている企業の経営がうまくいっているかどうかを見極め、就職活動や転職活動を効率的に進めていくことも可能

また、将来は独立開業を目指し、薬局や病院経営に携わろうとしている人にとっても、簿記を勉強すると自社の資産・負債・純資産・収益・費用などの数字を正確に把握できるようになります。

これからの時代は、たとえ薬剤師の資格があっても経営に関する知識が無ければ長く生き残っていくのが難しい時代になりつつあります。

ぜひ簿記の資格を取得して、薬剤に関する専門的な知識だけでなく、経営に関する専門的な知識を手に入れ、薬剤師の仕事をできるだけ長く続けられるよう準備をしておきましょう。

薬剤師が簿記を取得する5つのメリット

薬剤師が簿記を取得する5つのメリット

ここからは、薬剤師が簿記を取得する5つのメリットについて解説します。

  • 薬局経営を効率化できる
  • 薬品在庫管理の最適化に役立つ
  • 医療機関で果たせる役割を増やせる
  • 転職の幅が広がる
  • 独立開業の機会が増える

1つずつ、順番に見ていきましょう。

薬局経営を効率化できる

簿記の知識を持つことは、コスト感覚に優れた人材であることを意味します。

例えば、調剤薬局で働いている薬剤師であれば、どんな薬がどれくらいの期間でどれほど売れて、どのような顧客にニーズがあるのかを分析できます。

そのデータから、どんな種類の薬品をどれくらい仕入れたら、どれほどの売上が立つのかが見込めるでしょう。

正確な数字を把握しておけば、廃棄される薬品を最小限に抑えて、コストパフォーマンスに優れた薬局経営をおこなうことが可能です。

薬品在庫管理の最適化に役立つ

さきほどの薬局経営の効率化ともリンクしますが、簿記の知識があれば薬品在庫管理を最適化することができます。

ひと口に仕入れをするといっても、タイミングによってはその薬品の原価が安いときもあれば、高いときもあるでしょう。

簿記の世界では、「先入先出法」や「平均法」という手段によって、どのようにコストを管理するかによって計算方法が変わります。

ちなみに、「先入先出法」と「平均法」の違いを簡単に説明すると、以下の通り。

先入先出法が、「先に仕入れたものから先に払い出す」と仮定するのに対して、平均法は、一定期間の仕入原価の平均を計算し、その平均原価で売上原価と棚卸資産の両方を計算する方法です。

引用:先入先出法とは?意味や計算方法をわかりやすく|freee税理士検索 (advisors-freee.jp)

簿記資格があれば、このように適切に在庫管理をすることも可能となります。

医療機関で果たせる役割を増やせる

もし、薬剤師が簿記スキルを持っていると、医療機関でもとても重宝されるでしょう。

特に小さな病院や医療機関では収益や費用などの計算を薬剤師自身がおこなえると、徹底的に無駄を省くことができます。

逆に、大きな病院では会計管理業務をおこなっているスタッフとのコミュニケーションをスムーズにおこなえるでしょう。

たとえば、自分の部署で予算を確保しなければならない場合でも、簿記の知識があれば具体的な数字を使って説得力のある提案が可能。

簿記の知識があれば、医療機関で果たせる役割も増え、あなた自身が唯一無二の薬剤師となるのです。

転職の幅が広がる

薬剤師が簿記の資格を持っていると転職の機会も広がります。

ひと口に薬剤師と言っても、薬剤師の職場には薬局、病院、製薬会社、卸売会社など様々な職場があります。

それ以外にも食品メーカーや化粧品メーカーなどで活躍している薬剤師もおり、具体的な業務は以下の通り。

食品メーカーでは食の安全性を守るために食品の成分分析を行ったり、化粧品メーカーでは化粧品に用いる成分の研究をはじめ、化粧品の品質管理や薬事法に関わる業務などに携わったりすることも。このように、医療と関係のない現場でも薬剤師の知識とスキルが活かせる職場は多く存在するのです。

引用:薬剤師に人気な転職先は?本音から知る職場ごとの良いところ悪いところ | ファーマリンク – 薬剤師の転職・求人・派遣 (k-pharmalink.co.jp)

薬剤師の転職先は意外と多いというのがお分かり頂けたと思いますが、もし簿記資格を保有していれば転職活動も有利に進められるでしょう。

というのも、薬品に関する専門的な知識だけでなく簿記に関する知識をあわせ持っていれば企業側から「費用対効果に見合う成果を出せる人材では?」と判断してもらえる可能性が高いからです。

独立開業の機会が増える

簿記の知識があれば、将来独立開業の機会も得られるでしょう。

簡単にロールモデルを見てみましょう。

薬剤師の平均年収は561.7万円と発表されています。管理薬剤師や薬局長などの役職に就いたとしても、600~800万円程度がボリュームゾーンといわれています。一方で、独立開業した薬局の経営が軌道に乗れば、1,000万円を超える年収を目指すことも決して難しくありません。

引用:将来【薬局の独立開業】を目指すためにどんな準備が必要? | 日経HRエージェント薬剤師 (nikkeihr-ag.co.jp)

このように、独立開業をして上手くいけば、大幅に年収を上げることができます。

ここで気を付けなればならないのは、「経営が軌道に乗れば」の文言です。

独立開業するということは、薬品に関する知識だけでなく、経営に関する知識の習得が必須です。

簿記の知識を習得せずに独立開業するというのは、暗闇の中、ロウソクやライトを持たずに闇雲に歩き回るのと同じリスクがあります。

もし独立開業を目指しているのであれば、しっかりと勉強をして簿記資格の取得を目指しましょう。

薬剤師の職場別:簿記の活用イメージ

薬剤師の職場別:簿記の活用イメージ

冒頭でも少し触れましたが、2年に一度おこなわれる調剤報酬改定や毎年度薬価改定の影響により、病院や薬局の経営は厳しさを増しています。

ですが、簿記の知識があれば無駄を省き、利益を最大化できる可能性が高まります。

キャッシュフローを改善するためには、医薬品の在庫管理は必須の業務となりますが、ここでも簿記の知識が大きく貢献。

ちなみに、「調剤報酬改定」と「毎年度薬価改定」とは以下のような仕組みになっています。

調剤報酬改定は、医療費の透明性確保および患者負担額の軽減を目的として、社会情勢に合致するよう、2年に一度定期的に実施されています。調剤報酬改定の内容からは、国民が求めている医療の方向性を読み取ることが可能です。2022年度の調剤報酬改定は、2022年4月1日より施行されました。

引用:【2022年】調剤報酬改定の変更点やポイントをわかりやすく解説 | M&A・事業承継ならM&A総合研究所 (masouken.com)

薬価改定とは、医療用医薬品の公定価格である薬価を見直すことです。原則として、2年に1回、4月の診療報酬改定にあわせて行われます。ここで決まった薬価は、次の改定まで変わりません。

引用:薬価改定のしくみ|AnswersNews Plus (ten-navi.com)

参考:薬価毎年改定、コロナ禍でスタートへ – 医療介護CBnews

なお、薬剤師の代表的な職場は以下の通り。

  • 薬局薬剤師
  • 病院薬剤師
  • 製薬会社の薬剤師
  • 医薬品卸売会社の薬剤師
引用:薬剤師って普段どんな仕事をしているの?一番身近な薬剤師業務について紹介 (epigno.jp)

それぞれの職場で働く薬剤師がどのように簿記の知識を活用できるか、具体的に見ていきましょう。

薬局薬剤師について

まずは薬局の現場で働く薬剤師にとって簿記の知識がどのように活かせるかを見ていきましょう。

代表的な街の薬局には以下のような店舗があります。

  • マツモトキヨシ
  • スギ薬局
  • クリエイトSD
  • ツルハドラッグ

参考:調剤薬局の経営は儲かる?今後成功するためのポイントや注意点を解説! | マネーフォワード クラウド会社設立 (moneyforward.com)

いずれも大手のドラッグストアチェーンですが、もちろん個人経営として調剤薬局を開くという選択肢もあります。

どちらの選択肢を取るにしろ、店舗売上の伸び率、収支の把握、在庫管理は必須の業務

簿記の知識があれば、経営に関するそれらの要素を正確に把握することが可能となります。

その結果、無駄を省いた効率的な店舗運営が可能となるでしょう。

病院薬剤師の薬剤師について

病院経営の現場では、かつてお金や会計に関する話題はそぐわないとされてきた時代がありました。

ですが、病院で黒字経営を続けるためには、自身の勤める病院の経営成績や経営状態の把握は必須。

簿記の知識を活かして病院の財務を把握すると、以下のようにどれくらいの売上や費用があったのかをより正確に知ることが可能です。

財務諸表
図表引用:病院会計 初心者でも分かる「財務諸表の読み方PL編」 (hpcase.jp)

どれくらいの売上と費用があって、病院にどれくらいの利益を乗せられるのかを具体的に把握しておけば、コストを徹底的に削減していけます。

薬剤の仕入れや在庫管理にも携わる薬剤師にとっても、給与が支給される病院の経営については他人事ではないでしょう。

参考:管理会計を”医療現場”に持ち込み、病院経営の未来を切り拓きたい | 研究室訪問 | 一橋大学 HQウェブマガジン (hit-u.ac.jp)

参考:病院会計 初心者でも分かる「財務諸表の読み方BS編」 (hpcase.jp)

参考:病院会計 初心者でも分かる「財務諸表の読み方PL編」 (hpcase.jp)

製薬会社の薬剤師について

次に製薬会社で働く薬剤師についても見ていきましょう。

代表的な製薬会社は以下の通り。

  • アステラス製薬
  • エーザイ
  • 塩野義製薬
  • 大塚製薬

参考:会計が分かるクイズ 「医薬品企業」対決 – 日本経済新聞 (nikkei.com)

また、医療用医薬品については大きく新薬と後発薬(ジェネリック)とに大別されます。

たとえば、新薬が収益の中心となる「第一三共」と後発薬に特化した「東和薬品」では、収益構造が大きく異なります。

それぞれの収益と費用を示した以下の表を見てください。

①が東和薬品、②が第一三共の表となっています。

ちなみに、このような収益や費用を示した書類のことを、簿記の世界では「損益計算書」と読んでいます。

それぞれの損益計算書を読み取ると次のような違いが分かります。

  • 第一三共は一般用も手掛けるためCMなどにかかる広告宣伝費が発生。売上高販管費比率は高くなりやすい
  • 第一三共は新薬の開発に巨額の費用を投じている。開発後は特許により製造・販売を独占、単価も高い
  • 東和薬品は後発薬を手掛けるため研究開発費は軽い。半面、薬価自体の単価は小さい
  • 薄利多売のビジネスモデルのため、東和薬品の売上高原価率は高く出やすい。販管費は新薬メーカーよりは軽い
引用:会計が分かるクイズ 「医薬品企業」対決 – 日本経済新聞 (nikkei.com)

上記用語について少し補足すると、「販管費」とは「販売費及び一般管理費」の略称のことで、企業活動のうち、商品販売や管理業務で発生した全ての費用のこと。

このような収益構造の違いも、簿記の知識があれば簡単に把握できます。

製薬会社で働く薬剤師としての就職を希望する場合、その企業の将来性や収益構造を見て、自分がどちらのタイプの企業で働く方が向いているかを判断すると良いでしょう。

医薬品卸売会社の薬剤師

最後に医薬品卸売会社で働く薬剤師について見ていきます。

代表的な医薬品卸売会社は以下の通り。

  • メディパルホールディングス
  • アルフレッサホールディングス
  • スズケン
  • 東邦ホールディングス

参考:管理薬剤師の活躍の場 – 業種ごとの特徴とは|薬剤師の求人・転職・派遣 | 薬キャリ by m3.com

医薬品卸売会社の薬剤師は調剤薬局や病院薬剤師とは違い、患者さんへの調剤業務や服薬指導などがありません。

そのため、以下のような業務がメインとなります。

一般的な役割は、薬剤の安全確保の業務をメーカーから委託され、仕入れ、品質を維持しながらの保管、販売、医師や薬剤師からの問い合わせ対応、それに情報の伝達などです。

引用:管理薬剤師の活躍の場 – 業種ごとの特徴とは|薬剤師の求人・転職・派遣 | 薬キャリ by m3.com

これまで紹介した薬剤師の現場の中では、最も簿記の知識が活かせる職場と言えるでしょう。

そのため、簿記資格を持っている薬剤師と持っていない薬剤師では、やはり前者の方が有利になるのは明白です。

調剤薬局やドラッグストアに比べると給与モデルが低くなる傾向にありますが、残業や休日出勤が少ない所も多く、プライベートも重視したいという人にとってはオススメの職場。

同じ薬剤師であっても、どのようなキャリアプランを描くかによって働く職場が変わります。

薬剤師×簿記のダブルライセンスを取得すれば、どこからも引っ張りだこ!

薬剤師×簿記のダブルライセンスを取得すれば、どこからも引っ張りだこ!

ここまで薬剤師が簿記の資格を取得するメリットについて見てきました。

一般的には薬剤師の資格を保有していれば、就職先で困ることは無いでしょう。

ですが、「困ることが無い」というのと「自由に選べる」というのでは、意味合いが全く異なります。

もし自分が面接官だとしたら、簿記資格を保有している薬剤師と持っていない薬剤師のどちらの方が企業の利益に貢献してくれそうでしょうか?

薬局や病院で働くにしろ、製薬会社や卸売会社で働くにしろ、同じ能力を持った薬剤師が2人いたら、簿記資格を保有している薬剤師に企業側は興味・関心が湧くはずです。

そうなったらしめたもの。

多くの企業から求められる人材になれれば、自分が行きたい企業の選択肢を大きく広げることができます。

その結果、給与交渉がしやすくなるだけでなく、ワークライフバランスの制度が整った企業を選ぶこともできるでしょう。

まさに、薬剤師×簿記のダブルライセンスは無敵と言えます。

ぜひ、簿記資格の取得を目指してがんばってみてください。

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