簿記の講座を独学で進めていると、どうしても分からない所でつまずいてしまい、中々先に進めないということがあります。
私自身、最初はテキストを独学で進めていましたが、どうしてこういう解答になるのか、どうしてこのような解法になるのか、なかなか理解できず途方にくれることが多々ありました。
インターネットの動画やブログを見たり、YouTubeなど無料の講義も聞いたりしてみましたが、イマイチ自分が求める答えに辿りつきません。
そんな時、役に立つのは有料の通信講座です。
通学するよりも負担は少ないですし、忙しく働いている社会人であれば、通勤の移動時間や隙間時間にWeb動画で学習することも可能。
今回は、巷で評判が良いといわれているフォーサイトとクレアールの簿記講座について比較しています。
どちらの講座を受けようか迷っている人にも分かりやすく解説しましたので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
簿記3級講座の比較表
CPA | クレアール | ||
---|---|---|---|
料金 | 0円 | 3,850円 | |
割引 | × | 合格でアマギフ500円 | 資料請求で9,600円 |
誰向け | 会計士に興味がある方 | スマホ学習派 | 初心者 |
質問 | × | 1,100円/回 | ○ |
特徴 | 資料請求で動画/教材/問題集が無料 | 倍速スマホ動画 | 合格範囲の効率学習 |
実績 | × | 年間合格千人超 | × |
- | 資料請求 | 資料請求 |
フォーサイトとクレアールの簿記講座の特徴
最初に、フォーサイトとクレアールの簿記講座の特徴を記しておきます。
同じ簿記講座と言えどもそれぞれに特徴があり、どちらの講座が向いているかは受講する人がどんなコンテンツを求めているかによって変わってくるでしょう。
フォーサイトの特徴
まずは簡単にフォーサイトの簿記講座の特徴を見てみましょう。
公式サイトには、以下のような記載があります。
特徴1 自分のペースで勉強できる!
特徴2 忙しくてもスキマ時間で学習できる!
特徴3 たった2か月で合格!
特徴4 楽しく学べるフルカラーテキスト!
特徴5 最強のコストパフォーマンス!
引用:フォーサイト
ちなみに、2022年度の合格者は129名となっており、受講生満足度も93%という数字をたたき出しています。
更に、簿記2級の合格率は全国平均の3.48倍の86.4%、簿記3級の合格率も全国平均の2.4倍の87.5%という驚異的な数字を残しています。
クレアールの特徴
今度はクレアールの簿記講座の特徴を見ていきましょう。
引用:クレアール
- クレアール独自の効率的学習法「非常識合格法」
- 映像専用学習「Vラーニングシステム」
- マルチデバイス対応Web通信講座
クレアールの簿記講座は、この3つの学習システムを柱にしており、最高の時短学習を目指しています。
クレアールの合格率に関しては公式サイトに記載は無いものの、資格指導歴54年という長い歴史を持つ老舗の資格取得スクールであり、圧倒的な安心感と信頼感があります。
フォーサイトとクレアールの項目ごとの比較
前段で、フォーサイトとクレアールの簿記講座の違いについて簡単に見てきましたが、ここからは更に具体的に2つの講座の違いを見ていきましょう。
はじめに、それぞれの講座の違いについてまとめましたので、ざっと見ておくだけでも2つの講座の違いがすんなりと頭に入ってくると思います。
フォーサイト | クレアール | |
---|---|---|
カリキュラム | 合格点主義 | 非常識合格法 |
講師 | 小野 正芳 | 山田 和宗 |
講義時間 | 1コマ15分 | 1コマ30〜45分 |
講義内容 | テキスト中心 | レジュメ中心 |
質問回数 | 制限あり | 制限なし |
eラーニング | Manabun | Vラーニングシステム |
ネット試験対応 | × | ○ |
3級講座受講料 ※定価 | 17,530円 | 16,000円 |
カリキュラムの違い
まずはカリキュラムの違いについて詳しく見ていきましょう。
学習のかなめとなるカリキュラムの違いを把握することで、自分にとって学習スタイルが合うかどうかを判断できます。
フォーサイトのカリキュラム
フォーサイトの簿記講座の特徴は「合格点主義」という合格するために必要なポイントだけに絞ったコンテンツです。
忙しい受験生のことを考慮し、簿記学習のすべてを理解するための学習というよりは、合格するためのポイントに絞った学習と言えるでしょう。
分かりやすく表現するなら、合格ラインをクリアさえすればそれでOKということ。
視覚的に理解しやすいよう、テキストがフルカラーで作成されている点も好感が持てます。
また、理解を手助けするためのイラストや図表なども豊富に使用されているので、簿記学習に苦手意識がある人にとっては、取り組みやすい講座になっています。
クレアールのカリキュラム
クレアールは「非常識合格法」という合格に必要な範囲だけに絞った学習方法を取り入れています。
先ほどご紹介したフォーサイトの講座との違いは、フォーサイトが合格点を目指すことに重点を置いているのに対し、クレアールは合格に必要な得点範囲の学習に重点を置いていること。
クレアールの学習は、試験に出題される範囲をカバーすることで合格点を狙っていくというスタンスです。
合格点に重きを置くのではなく、出題範囲に重きを置いて合格点を狙っていきます。
ただし、クレアールのテキストは全てモノクロ印刷で作られており、イラストなどもあまり使用されていないので、そのようなテキストが苦手な受講生にとっては気になる部分かも知れません。
▶︎クレアールの公式サイトはこちら
講師の違い
次に講師の違いについて見ていきましょう。
どんなに素晴らしいカリキュラムが用意されていても、講師が自分と相性が合わない場合は学習の進捗にも影響が出てしまいます。
フォーサイトの講師
フォーサイトの講師の特徴は以下の通り。
プロフィール | 【名前】小野正芳 【生年月日】1975年1月23日 【出身】長崎県出身 【血液型】B型 |
経歴 | 1995年11月 簿記1級取得 2003年 4月 初級システムアドミニストレータ取得 2004年 3月 博士(経済学)取得 2005年 3月 AFP登録 |
講師の方が簿記1級を取得していることで、受験生の立場から的確なアドバイスが貰えそうですね。
クレアールの講師
クレアールの講師の特徴は以下の通り。
プロフィール | 山田 和宗 (クレアール専任講師) 公認会計士( 2010年公認会計士登録)、クレアール簿記講座専任講師。 |
経歴 | 大手監査法人で、約4年間国内上場企業を中心とした監査業務に従事し、その後、2010年11月に山田和宗公認会計士事務所開業登録。会計教育に関わる業務を中心に活躍中。 |
講師の方が大手監査法人での業務に従事していたということもあり、学習内容の実践での活かし方なども参考になりそうです。
動画コンテンツの違い
動画コンテンツの違いについても比較してみましょう。
テキストを読んだだけでは分からなかった部分が、講義を聴くことによって理解できるようになることもあるため、とても重要な要素の1つです。
フォーサイトの動画コンテンツ
フォーサイトの動画コンテンツの特徴は以下の通り。
引用:フォーサイト
- ポイント1 テキストの内容が早く・深く・正確に理解できる
- ポイント2 テレビ局レベルの専用スタジオで収録しているのでストレスなく学習できる
- ポイント3 いつでもどこでも講義が見られる
- ポイント4 最大1コマ15分 スキマ時間学習に最適
- ポイント5 何度も繰り返し視聴し、記憶に定着させる講義
他の講座の特徴と大きく違う点が、最大1コマ15分という動画の尺でしょう。
通常ですと1単元の学習は長時間になりがちですが、完全に隙間時間の学習に焦点を充てた教材構成となっています。
また、動画は倍速再生にも対応しているので効率的に学習可能です。
クレアールの動画コンテンツ
クレアールの動画コンテンツの特徴は以下の通り。
引用:クレアール
- 「映像学習」なら、内容を逃さない!
- 「映像学習」なら、理解度が高まる!
- 「映像学習」なら、倍速機能でスピーディに学習!
- 「映像学習」なら、全国どこでも一流講師の講義を受講できる!
- 「映像学習」なら、全国統一で「合格必要得点範囲」に限定したテキストだけを使用!
- 「映像学習」なら、学習回転数が向上できる!
こちらの動画コンテンツの最大の特徴は、1単元の講義が平均して30分〜40分といった部分でしょう。
先ほどのフォーサイトの動画が隙間時間を活用した最大15分のコンテンツであったのに対し、クレアールではガッツリと充分な時間を取った講義スタイルとなっています。
こちらも、動画は倍速再生に対応しているので人によっては標準再生時間の半分ほどの時間で視聴できるでしょう。
サンプル動画の違い
今度は実際のサンプル動画を比較してみましょう。
実際の講義を聴いてみることで、更に講座の内容がイメージしやすくなると思います。
フォーサイトのサンプル動画
フォーサイトのサンプル動画を見てみると、基本的にはテキストをベースに講義を進めています。
テキストもフルカラーで見やすいのも特徴です。
百聞は一見に如かずですので、実際に講義を聴いて自分に合うか判断すると良いでしょう。
▶︎フォーサイトの公式サイト
クレアールのサンプル動画
クレアールのサンプル動画を見てみると、主にパワーポイントで作成したレジュメをベースに講義が進んでいきます。
レジュメはカラーで作られていますが、フォーサイトのテキストのようにカラフルといった印象ではなく、割とシンプルにまとめられています。
こちらも、実際に講義を聴いてみて自分に合うかどうか確認してみましょう。
▶︎クレアールの公式サイト
質問回数の違い
フォーサイトとクレアールの講座では質問回数の違いに大きな差があります。
こちらも受講を検討する際の判断材料にすると良いでしょう。
フォーサイトの質問回数
フォーサイトの質問回数は、以下のように制限されています。
- 簿記3級スピード合格講座は5回まで
- 簿記2級スピード合格講座は10回まで
簿記初学者にとって、この制限はもしかしたら厳しいものがあるかも知れません。
ですが、今はインターネットを調べれば基本的なことはすぐに分かります。
公式サイトの記述にも、「受講生の年間平均質問数は約3回ですので、通常であれば足りないということはありません」との記載がありますので参考にしてみてください。
クレアールの質問回数
一方のクレアールの方はどうかというと、質問回数に制限はありません。
しかも、電話、インターネット、メール、いずれを利用してもOKです。
公式サイトにも記載がありますが、業界最高水準の質問体制と言えるでしょう。
▶︎クレアールの公式サイト
eラーニングシステムの違い
次にeラーニングシステムの違いについても見ていきましょう。
学習するにあたっては、このeラーニングシステムが使いやすいかどうかも、講座を選ぶ時の重要な要素になります。
フォーサイトのeラーニングシステム
フォーサイトのeラーニングシステムは「ManaBun(マナブン)」と呼ばれ、以下のような特徴があります。
引用:フォーサイト
- ポイント1 お持ちのデバイスで、いつでもどこでも学習できる
- ポイント2 スキマ時間で講義動画・音声が視聴できる
- ポイント3 紙のテキストが手元になくても、どこでも学習が可能
- ポイント4 むずかしい学習スケジュールを自動で立ててくれます
eラーニング機能一覧
機能 | 単科講座 | バリューセット | |||
2級講座 | 2級過去問 解き方講座 | 3級講座 | 1 | 2 | |
講義動画 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
講義音声 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
テキスト | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
確認テスト | ○ | – | ○ | ○ | ○ |
合格カード | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
用語集 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
学習スケジュール | ○ | – | ○ | ○ | ○ |
資格マンガ | ○ | – | ○ | ○ | ○ |
質問箱 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
このeラーニングシステムの最大の特徴は、自分の生活スタイルを入力すると、自動的に学習可能時間を算出し、最適な学習スケジュールを作成してくれるという点です。
せっかく便利なeラーニングシステムがあっても、学習スケジュールが崩れてしまっては元も子もありません。
自分でスケジュールを立てるのが苦手という人にとっては重宝される機能とも言えます。
クレアールのeラーニングシステム
クレアールのeラーニングシステムは「Vラーニングシステム」と呼ばれ、以下のような特徴があります。
クレアールの映像講義は1回につき1単元の「単元別講義」で行われています。単元の内容に合わせて1回30分から40分で完結するコンパクトな講義だから、まとまった時間が取りにくい方でも、スキマ時間を活用して学習でき、すぐに復習に取り掛かることができるようになります。これにより、「講義で論点の内容を理解」→「理解した内容の復習」というサイクルが短いタームで行われることで、“高速高回転学習”の実現を図ることができるようになります。また、講義時間が短いことにより、集中力が維持しやすくなることも、学習効果の向上におけるメリットとなります。
引用:クレアール
つまり、クレアールのeラーニングの特徴は下記の3つです。
- 単元別に30分から40分のコンパクトな講義形式
- スキマ時間を活用でき、すぐに復習に取り掛かれる
- 高速高回転学習を促進し、集中力の維持にも役立つ
公式サイトでは、画像でも説明がされています。
他にも、解法マスター答練という解答までの思考プロセスを、徹底的に伝授するシステムがありますが、1級講座限定なのでここでは割愛します。
簿記1級を目指す方や気になる方は、公式サイトを参考にしてみてください。
ネット試験への対応の違い
簿記3級と簿記2級の試験は現在、紙の試験とネット試験のどちらかを選んで受験することが可能です。
最近では、自分の好きなタイミングで受けられるネット試験の人気が高まってきています。
参考:日商簿記検定試験(2級・3級)ネット試験について | 商工会議所の検定試験 (kentei.ne.jp)
フォーサイトのネット試験への対応
このネット試験に関して、フォーサイトはどのような対応を取っているのか確認してみましょう。
結論からお伝えすると、何か特別にネット試験に対応するようなスタイルは取っていません。
試験範囲としては、紙の試験もネット試験も同じだからというのがその理由のようです。
クレアールのネット試験への対応
では、一方のクレアールの方はどうかというと、こちらはきちんとネット試験に対応するスタイルを取っています。
ネット試験は紙の試験と違って、パソコンやマウスの操作などに慣れていないと本番でスムーズに問題を解くことができません。
そのため、クレアールのようにパソコンで模擬試験さながらの練習ができるシステムは受講生にとってかなりメリットがあります。
▶︎クレアールの公式サイト
受講料の違い
最後に、気になる受講料の違いについて見てみましょう。
通信講座やWeb講座の場合、通学するよりも費用は抑えられますが、それでも数万円単位の出費があります。
そのため、この受講料の要素についても大きな判断材料の1つになるでしょう。
フォーサイトの受講料
まずはフォーサイトの受講料の方から見てみます。
「簿記3級スピード合格講座 2023年11月試験対策」の受講料を見てみると、16,800円(税込・送料別)に送料730円が加わり、トータル17,530円(税込)になります。
時々割引クーポンが発行されて、3,000円引きになることもあるようです。
クレアールの受講料
一方のクレアールの方はというと、「3級パック Web通信」が16,000円(入学金、教材費、消費税、送料込)となっています。
さらに、6月割引価格だと10,800円となり、大元の料金も、割引後の料金も、フォーサイトの受講料よりリーズナブル。
一概に価格だけでは教材の良し悪しを判断できませんが、金銭面ではクレアールの方に軍配が上がります。
フォーサイトとクレアール、それぞれ向いている人
ここまでフォーサイトとクレアールの簿記講座の特徴について詳しく見てきました。
それぞれの特徴を加味しながら、向いている人の特徴をまとめてみましょう。
フォーサイトの方が向いている人
フォーサイトの方が向いてる人の特徴としては、隙間時間を活用してサクッと合格を目指したい方が向いていると言えるでしょう。
動画コンテンツも最大1コマ15分ですし、テキストもフルカラーですので、忙しい社会人や主婦の方でも効率よく勉強を進められるはずです。
業務で必要に駆られて簿記資格が欲しい人、仕事で必要な所だけを重点的にマスターしたい人にも向いているでしょう。
▶︎フォーサイトの公式サイト
クレアールの方が向いている人
クレアールの学習が向いてる人の特徴としては、ある程度自学自習のスタイルが身に付いており、学習内容をしっかりと踏まえた上で合格を目指したい人に向いていると言えます。
動画コンテンツは1コマ30〜40分と比較的長めですし、テキストもモノクロなので、効率よく勉強するというよりは、しっかりと時間を掛けて勉強する人向けとも言えます。
将来的に、簿記3級から簿記2級、簿記1級へとステップアップしていきたい人にも向いているでしょう。
▶︎クレアールの公式サイト
最後は自分にあった通信講座を選ぶことが大事
フォーサイトもクレアールの簿記講座も金額的にはほとんど大差はないものの、それぞれの講座に特徴があってとても興味深いですね。
受講を決断する際には、今の自分のライフスタイルや過去の勉強方法など、自分の性格に合わせて判断すると良いでしょう。
いくら誰かに進められて良いと言われてる講座でも自分には合わなかったということは往々にしてあります。
この記事を読んで、ぜひ自分にあう簿記講座を選んでください。
簿記3級講座の比較表
CPA | クレアール | ||
---|---|---|---|
料金 | 0円 | 3,850円 | |
割引 | × | 合格でアマギフ500円 | 資料請求で9,600円 |
誰向け | 会計士に興味がある方 | スマホ学習派 | 初心者 |
質問 | × | 1,100円/回 | ○ |
特徴 | 資料請求で動画/教材/問題集が無料 | 倍速スマホ動画 | 合格範囲の効率学習 |
実績 | × | 年間合格千人超 | × |
- | 資料請求 | 資料請求 |