簿記3級は簡単って聞いたけど、簡単だとは思えない・・。
簿記3級が簡単だと言われるのはなんで?本当に簡単なの?
こういった疑問にこたえます。
簿記3級は、その知名度の高さなどから「簡単」と言われてしまうことがあります。
ただ、合格率からもわかるように、受ければ受かるような簡単な資格ではありません。
今回の記事を読めば、簡単というのは嘘である理由や、簡単だと言われてしまう理由がわかります。
なお、難しいと感じるならば、一人でひたすらテキストを読み込んでいても、合格は遠いです。
なぜなら、初めて簿記を学ぶとなると、わからない単語や考え方が多く、独学では勉強が進まないからです。
初心者が簿記を学ぶなら、不明点を気軽に質問できる環境を作ることが大切。
なお、簿記3級が難しいと感じた人に足りていないことは、練習の量です
とにかく問題を解くことで、はじめて問題の解き方が身に付きます。
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日商簿記3級は簡単というのがウソな6つの理由
簿記3級は決して簡単な資格ではありません。
簡単というのが嘘である理由は、下記の6つです。
- 合格率が高くない
- ほかの検定の3級とは位置付けが違う
- 数字に慣れているかどうかで変わる
- 専門用語が多い
- 会社での実務を知らないと難しい
- 100時間は勉強時間が必要
順に説明します。
簿記3級が全然わからない人や簿記3級が難しすぎると感じる人、簿記3級に受からない気がする人は、ぜひ参考にしてくださいね。
簡単が嘘な理由1:合格率が高くない
簿記3級の合格率をご存知でしょうか?
簿記3級の合格率は、2022年11月の統一試験で30.2%しかありません。
2022年中に3回実施された統一試験の平均で見ても、42%前後です。
また、いつでも受けられるネット試験での合格率を見ても、41.5%です(2022年4月から12月)。
つまり、10人受けても6人は落ちる試験だということです。
「簡単」という言葉のイメージからは、10人受けたら9人は受かるように感じられますが、実際は4人しか受からないわけで、全然違うわけです。
もちろん、受験者の8%程度しか受からない公認会計士などと比べると、受かりやすいですが、誰でも受かるような簡単な試験ではないわけです。
まずは、この合格率の認識を改めてもちましょう。
なお、直近の日商簿記3級の統一試験の合格率は下記のとおりです。
回 | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
162(2022.11.20) | 32,422名 | 9,786名 | 30.2% |
161(2022.6.12) | 36,654名 | 16,770名 | 45.8% |
160(2022.2.27) | 44,218名 | 22,512名 | 50.9% |
159(2021.11.21) | 49,095名 | 13,296名 | 27.1% |
簡単が嘘な理由2:ほかの検定の3級とは位置付けが違う
2つめの理由は、資格検定の3級に対する一般的なイメージから「簡単」と思われてしまうからです。
ほかの民間の資格検定では、3級はその分野の初心者が最初に受ける力試しの級という位置付けであることが多いです。
そのため、資格によっては、3級の内容がかなり初歩的なことも。
そのため、そのイメージにつられて、簿記でも3級は簡単な内容と思われてしまっています。
もちろん、1級や2級と比べれば簡単なことは間違いないのですが、実務に近い内容ということもあり、勉強せずに一般人が受けて受かるものでは到底ありません。
以上が、簿記を受けたことがない人からすると、3級が簡単だと思われてしまう理由です。
簡単が嘘な理由3:数字に慣れているかどうかで変わる
3つめの理由は、数字を扱うことに慣れているかどうかで、難易度が大きく変わることです。
数字といっても、簿記では四則演算しか使いませんが、それでも多くの数字をテキパキと計算していくことに慣れていない人には、かなり難しく感じます。
逆に、数字にとくに抵抗がない人にとっては、苦にならず、そういった人からすると、簡単に思えてしまう場合があります。
普段から電卓を使って計算をしたり、学生時代に数学を受験に使ったりする機会があったかどうかで簿記に対するイメージが大きく変わるわけです。
数字に慣れていない人には簡単だと感じられないわけです。
簡単が嘘な理由4:専門用語が多い
簿記が簡単でない4つめの理由は、会計業務に特有の専門用語が多いことです。
企業会計で使われる用語が問題文に多く含まれているため、普段そういった言葉を使う機会がない場合は、問題文の意味もわからない状態になってしまいます。
たとえば、「決算整理前残高試算表」や「勘定科目」、「借り方・貸し方」など、簿記を勉強していたり、経理をかじったりしていないと、意味がわからない単語が多々あります。
意味を知ってしまえば、そこまで難しいことを言っているわけではないのですが、慣れていないと難しいと感じるのが自然です。
簡単が嘘な理由5:会社での実務を知らないと難しい
5つめの理由は、会社での実務を知っていないと難しいからです。
簿記は、企業決算を作るための知識や技術をまとめたものです。
そのため、会社での実務、とくに経理に関わる業務を知っていれば、簿記で習う内容のイメージがつきやすく、スムーズに理解できます。
経理部以外でも、経費精算や請求書の処理などはしますからね。
その一方で、就職前の学生の方や、会社員としての経歴がない方の場合は、とっつきにくく、難しいと感じられるでしょう。
簡単が嘘な理由6:100時間は勉強時間が必要
最後の理由は、簿記3級を習得するためには、100時間の勉強時間が必要であるからです。
簡単な資格というと、数日間集中して勉強すれば取れるようなイメージを持ってしまいがちですが、そのような姿勢では簿記3級は受かりません。
100時間というと、働きながらだと、どんなに早くても2ヶ月はかかるかと思います。
一般的には、半年ほどかけて準備する人が多いようです。
もちろん、学生で時間を集中して取れる場合などは、もっと早いかもしれません。
いずれにしても、一定の勉強時間を確保する必要があるため、簡単な資格とは言えないでしょう。
日商簿記3級がカンタンと言われる3つの理由と実際の声
ここまで、簿記3級が簡単ではない理由を6つ紹介してきました。
では、実際は簡単ではないのに、なぜ「簡単」と言われることがあるのでしょうか。
その理由は大きく3つです。
- 知名度が高く、資格保有者が多いから
- 経理や事務をしていたら持っていて当然と思われているから
- 1級や2級、税理士や会計士など、上位の難関資格が多数あるから
順に説明します。
知名度が高く、資格保有者が多いから
まず、第一の理由は、その知名度の高さです。
簿記3級の受験者数は、毎年10万人から15万人近くいます。
合格者でみると、毎年4万人から7万人前後。
毎年ここまで多くの人が受験をし、合格しているとなると、自分の身の回りに簿記3級の資格保有者がいることは珍しくないはずです。
逆に、宅建士やファイナンシャルプランナーなどは保有者数が減ります。
そのため、簿記3級の難易度は低いように見られてしまうわけです。
経理や事務をしていたら持っていて当然と思われているから
経理部で働いていたり、事務関係の仕事をしていたりすると、簿記は持っていて当たり前という反応を社内外問わずされることがあります。
実際には、簿記をとくに取得していない事務員さんのほうが多いですが、世間的には「事務=簿記保有者」と考えている人が多いです。
この、「自分は持っていないけど、持ってて当たり前だよね?」という感覚から、簿記は簡単と思われてしまうのです。
1級や2級、税理士や会計士など、上位の難関資格が多数あるから
最後に、会計関連の資格だと、簿記3級が相対的に簡単だというのも理由のひとつです。
会計というのは、会計学という学問分野のひとつがあるくらい奥が深いです。
そのため、簿記1級や2級、税理士や公認会計士など、多くの難関資格があります。
それらの難関資格を目指す人にとっては、簿記3級は最初に取る登竜門の資格で、一発でさっさと取って当たり前とされています。
一般人からすれば、簿記3級でも難しいのですが、そういった会計のプロの目線からすると、簡単な資格に位置付けられてしまうため、簡単なイメージがついてしまっています。
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まとめ:日商簿記3級は簡単ではないので要対策
まとめると、簿記3級は10人受けて6人は落ちるほどの難易度で、決して簡単な資格ではありません。
ただ、定番資格で合格者の絶対数はかなり多いことから、簡単だというイメージもついてしまっています。
しかし、簡単だという人は、簿記3級を受けたことがない人か、経理を仕事にしていたり、上位の会計資格を持っている人だけです。
そういった声に惑わされずに、コツコツと勉強していかないと受かりません。
勉強方法は下記でまとめていますので、参考にしてくださいね。
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